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CAMS'98開催報告

 

正員 貴島勝郎

 

1. はじめに

第4回海洋システムの制御の応用に関する国際会議(International Federation of Automatic Control conference on Control Applications in Marine Systems(CAMS'98))が1998年10月27日から30日までの4日間、福岡市の福岡リーセントホテルで開催された。

CAMSは、第1回が1989年デンマークのリングビイで、第2回は1992年イタリアのジェノバで、第3回は1995年ノルウェーのトロントハイムで開催されており、3年に1度の開催で今回が4回目である。

海洋システムに用いられる制御系は、海洋システムを取り巻く厳しい海洋環境やその変化に対して、耐航性、安全性、ロバスト性、インテリジェント性ならびに適応性等を要求される。このため最新の制御技術の海洋システムの応用に関しては世界各国において研究・開発が進められている。

この国際会議は、海洋システムヘの制御の応用に関する最新の研究成果を広く公開し、制御系の研究・設計に携わる研究者・技術者間の技術交流・意見交換を行うことにより実用的な制御技術の開発に貢献することを目的としている。

ここでは第4回の会合の概要について報告する。

 

2. 国際プログラム委員会、実行委員会と参加者

1995年トロントハイムで開催された第3回会議で、次回を日本で開催することになり、技術委員会委員の小山健夫先生(当時東京大学教授)より、福岡での開催依頼を筆者が受けた。筆者はそれまでCAMSの会合に出席したことがなく、その内容すら知らなかったが、とにかく福岡開催を引き受けることになった。

会議の規模がせいぜい150人程度と伺ったので、会議開催の為の実行委員はできるだけ少人数で小回りが効くようにし、しかし実りの大きい会議にしたいということから、表1に示すように大学と企業からの8人の構成でスタートした。また国際プログラム委員会はこれまでのメンバーに加えて筆者も仲間に入れていただいて総勢31名(表2参照)、Chirmanは、Norwegian University of Science & TechnologyのProf.Thor.I.Fossenである。

実行委員の間では、日本開催に際して従来にない何か新しいことを試みようと検討を重ね、通常の論文講演の他に若い学生層を対象に最新の分野を勉強してもらうために、Tutorial Sessionを設けた。そのテーマは次の通りである。

 

Tutorial Session : Nonlinear Ship Control

Part I : Nonlinear Backstopping Designs for Ships

Part II : Nonlinear, Optimal and Robust Backstopping for Ships

 

 

 

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