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第3章 ニッケル鉱の剪断強度試験

 

3.1. 各種実験用試料の水分値について

第2章に示した通り、円錐貫入試験の仕様等の問題を除けば、本研究の概要は以下の通りである。

(A-1) 一面剪断試験により、水分値と剪断強度の関係を得る。

(A-2) 剪断強度に基づき荷崩れの数値解析を行うことにより、水分値と荷崩れ危険性の関係を得る。

(A-3) 水分値のクライテリアを求める。

(B) 円錐貫入試験により、水分値と円錐貫入力の関係を得る。

(C) 試料の最大粒径の違いを考慮して、水分値のクライテリアを換算する。

(D) 換算した水分値のクライテリアに対応する円錐貫入力を求める。

これらのうち、(A-1)〜(A-3)の研究では、水分値は全て一面剪断試験用試料のもの、即ち、最大粒径6.7mmの試料のもので代表させる。一方、本年度の円錐貫入試験は、粒径調製を行わない試料及び最大粒径19mmの試料について実施した。よって、水分値と円錐貫入力の関係といった場合の水分値には、粒径調製を行わない試料のもの、即ち最大粒径100mmの試料のものと、最大粒径19mmの試料のものの2種類がある。そのため、以下の節においては、対象となる試験に応じて、以下の水分値が論じられている。

(1) 一面剪断試験(3.4節参照):水分値は最大粒径6.7mmの試料の値

(2) 粒径調製を行わない試料の円錐貫入試験(3.2節参照):水分値は最大粒径を100mmとして抽出した試料の値

(3) 最大粒径を19mmとした試料の円錐貫入試験(3.2節参照):水分値は最大粒径19mm試料の値、または、元の試料、即ち最大粒径を100mmとして抽出した試料の値

このように各種の水分値について論じる必要があるため、以下、図の軸として水分値を用いる場合は、試料の最大粒径を併せて示す。ここで水分値は全て全水分値、即ち、水分の重量を元の試料(水分を含む試料)の重量で割った値で表す。

水分値を正確に計測するためには、代表試料を抽出する際に、粒径分布等に偏りが生じないよう正しく縮分を行うとともに、充分な量の試料を用いることが重要である。参考のため、水分値を示す際には、計測に用いた試料の重量も示す。

 

 

 

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