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本年度実験に用いたニッケル鉱、即ち、Pomalaa鉱とBoakaine鉱については、図の中央及び右の流れにある作業を既に実施しており、第3章及び第4章で述べるように、円錐貫入試験用試料の水分値のクライテリアを求めてある。また、最大粒径19mmの試料を保管してあるので、次年度にこの試料を用いて篩い分け円錐貫入試験を行うことにより、それぞれの試料に関する円錐貫入力のクライテリアを設定する予定である。

 

2.6. 本年度の研究概要のまとめ

本年度は、荷役現場において、篩い分けを行わずに締め固めを定量化した試料に対する円錐貫入試験と、最大粒径を19mmとした試料に対する円錐貫入試験の両方を行うことにより、また、日本冶金工業(株)大江山製造所の方々の指摘を受けて、荷崩れ危険性評価法としては、篩い分け円錐貫入試験を開発することにした(3.2節参照)。さらに、一面剪断試験(3.4節参照)及び荷崩れの数値解析(4章参照)を行うことにより、Pomalaa鉱とBoakaine鉱について円錐貫入試験用試料の水分値のクライテリアを求めた。加えて、最大粒径と水分値の関係に関する実験(3.3節及び3.5節参照)を実施し、水分値のクライテリアの最大粒径に基づく換算を行った。当初予定していた「実験室円錐貫入試験」は実施せず、篩い分け円錐貫入試験開発のための予備試験を実施した(3.6節参照)。これらの試験結果に基づき、荷崩れ評価試験法の草案を作成した(5.1節参照)。

 

2.7. 今後の予定(5.2節参照)

次年度は、荷崩れ評価試験(篩い分け円錐貫入試験)装置を製作し、試験方法を決定する。並行して、3種類のニッケル鉱を用いて、一面剪断試験及び最大粒径と水分値の関係に関する実験等を実施して、円錐貫入試験用試料の水分値のクライテリアを決定する。そして、3種類のニッケル鉱及び本年度の実験に用いたPomalaa鉱並びにBoakaine鉱の計5種類の試料について、水分値を変えて荷崩れ評価試験を実施することにより、試験法を完成させるとともに、荷崩れ危険性から見た円錐貫入力のクライテリアを決定する。

 

 

 

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