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6. 融点が室温に近い粉体試料の測定では、上記の二つの測定方法ともに有効なデータを得るには至らなかった。

 

3-2. 今後の検討課題

今後の課題としては次のことが考えられます。

 

1. 「熱電対測定」における基点の選定について:最高到達温度記録時を採用するか、最高温度上昇記録時を採用するか、ある一定温度(例えば、160℃)到達時を採用するとかについての検討。

2. 上記を含め熱電対記録とデフラグレーション現象との関連。

3. 粉体(固体)試料の充填方法(=試料充填密度の差)による燃焼速度への影響:これは、すべてを極めようとすれば試料の粒度・反応表面積、試料の純度、不純物の燃焼速度への影響、介在する空気の効果等の高度な技術的問題が山積みされており、現段階では試料重量/充填容積より求められる充填密度を指標として示す程度なのかもしれないが、方法論的に手順確立を検討(後2つの試料で試験)。

4. 国連勧告に示されている参照値と大きくかけ離れた値を示す試料についての資料収集:試料3,試料5,試料8についての調査・検討。

5. 低融点の物質についての調査・検討

6. 固体不活性物質含有品についての不活性物質含有量と燃焼速度の関係について検討(委員会からの意見)

 

3-3. 終わりに

 

本年度のテーマについては前述したような成果及び検討課題を示すことができました。次年度は当該テーマの検討及び次年度テーマの検討に入ります。なお、平成12年度については両テーマの研究完結を目指す予定です。

このような研究の機会を与えて下さった財団法人「日本財団」ならびに社団法人「日本海事検定協会」に感謝し、本研究の結果を「化学物質の輸送に関する安全性」がより増す方向に活かして戴くことを願っております。

 

 

 

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