2-4-3. 追加試験
粉体試料について充填密度が燃焼速度に影響するのではないかと考え、次の充填方法を提案し、追加試験を行いました。
2-4-3-1. 方法
2-4-2.において、錘を試料にかけて充填する方法を採用する。試料への錘のかけ方は、容器の全高を3等分し、各位置まで試料を入れ、同一荷重をかけた。(都合3回行なった。)
荷重としては、0.5kg、1kg、2kg、5kgの4水準をとり、対象試料としては「試料7」を使用しました。
2-4-3-2. 結果
結果を表3.及び図3に示す。 これより以下の知見を得ました。
荷重を増加させると燃焼速度が減少(一定値に収束)する。
荷重を増加させると測定時のばらつき(分散)が減少する。
第三章 まとめ
3-1. 本年度の調査研究成果概要
試験を実施し、国連勧告に示されていない多くの問題点を抽出し、その内の数点に関しては、解決への糸口を示すことができました。
本年度の成果としては、具体的に以下のことがあげられます。
1. 反応容器(デュワー瓶)の大きさにより燃焼速度が変化することが確認された。
2. 容器「デュワー瓶中」に関しては、燃焼速度の数値が規格品「デュワー瓶大」と同等であり、試料量を半減できることが示された。
3. 固体試料に関しては、その充填方法により試料の容器に対する充填率:密度(試料の空隙率)が変化し、燃焼速度に影響を与えることが示された。
4. 測定方法に関しては、反応(燃焼)面の移動を直接観測する「目視測定」と反応(燃焼)熱による温度上昇を測定して間接的に反応面の移動を感知する「熱電対測定」の検討を行い、液体試料及び粉体(固体)試料(一部下記5.,6.に示す例外があったが)についてほぼ同等の結果を示した。
5. 固形不活性剤を含む粉体試料に対しては、「目視測定」では残存する不活性剤が反応面の観測を難しくすることが認められたが、「熱電対測定」では明瞭なデータを得る事ができその優位性が示された。