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? 通常考えられる機関の故障とその対応
(小型ディーゼル車)

 人間に病気や怪我があるのと同様に、機械にも不具合な箇所や故障が発生することは避けられません。その場合、人間は直ぐ病院に行って手当てをうけるわけですが、機械の場合は機械を運転している人が不具合な箇所を見つけて手当てや修理をしてやらなければなりません。
 「機関の故障が発生した場合、直ぐにその原因を発見し、手当てする方法があれば教えて欲しい」との相談をよく受けますが、私は「それはありません」とお答えすることにしています。
 機関の故障はいろいろの原因によって発生するもので、原因が一つだけとは限らないからです。機関に故障が起きた場合には、故障の原因と思われるものを一つずつチェックして、その原因を発見し修理しなければなりません。最近の機械は材質も良くなり、製造時の品質管理も厳しく行われているので、機関の故障も以前に較べ随分と少なくなりましたが、どんなに良い材質を使用し、厳重な品質管理のもとで作られた機械でも、それぞれの部品や装置は、日常の点検と使用時間毎の定期点検・整備が必要で、これを怠ると機関に故障が発生することになります。従って、日常の点検や定期点検・整備を怠らずに行うことが大切です。
 点検・整備は機関の故障を防ぐために必要な作業で、これを励行することで大半の故障を防ぐことが出来ます。しかし、点検・整備では発見出来ないこともあり、突然の故障もありますので、通常考えられる機関の故障とその対応、故障の発生を予防するための点検・整備について考えてみます。
 日常の点検と整備について機関に故障が起きた時、どう対応するかを考える前に機関に故障が起こらないように日頃から機関の状態を点検し、整備することが必要です。
 機械は人間の身体と同様に定期的な点検・整備が必要です。点検・整備が必要な箇所や使用時間についてはメーカーが取扱説明書に示しており、これを良く読んで日常の点検・整備を行って下さい。エンジンの種類によって多少異なりますが根標準的な定期点検表を示しておきますので参考にして下さい。[表1]参照。

   [表1]小型ディーゼル・エンジンの定期点検表(例)
   

 

 

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