(3) 横波を受けての航行
横波は船体を大きく動揺させ、船体動揺と波の周期が同調すると転覆の危険性があります。基本的には、荒天時の横波を受けての航行は避けるべきですが、同調作用により船体動揺が増大した場合、速力・針路の変更を行い船体を安定させます。
速力は、舵効を失わない程度の適度な速力に減速し、高速走航は避けます。又、針路変更についても、斜め追波はブローチングの発生により、転覆の危険性があります。復原力の大きいヨット(クルーザータイプ)についても、船速増大のための船型改良が原因とみられる復原性範囲の現象による転覆事故も発生しており、ロールオーバーしても直ぐ復原するとの観念は危険です。細心の注意が必要です。
※注意事項
?無理な横波走航は極力避け、針路変更により安全な針路を設定する。
?やむをえず横波走航する場合は、短時間に留める。
?操舵は小刻みに(大角度の転舵は、船体を不安定にします)針路は早め早めに修正し、保針に努める。
?波浪の状況を観察し、適度な速力に減速する(高速走航は避ける)。
?落水事故に注意する。
?自船の性能を過信しない。