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(3)保船と船体救助に必要な措置

 調査により、ある程度の安全が確認された場合、保船と救助に必要な措置を行います。

?応急防水

浸水箇所の応急防水を行います。
※衝突の項、(2)「応急対策と措置」参照

?絡網の除去

 推進器の絡網は、まず絡網時と逆の方向に機関をターニングします。可能であれば爪竿等で絡網した、網・ロープ等を引っ掛け、ターニングに併せ取り除きます。または、竿先に刃物を取付、少しずつ切断し除去します。
 機関を逆転し除去する方法も効果的ですが、絡網の状態によっては、機関及び推進器等を損傷する場合があります。最後の手段として行って下さい。
 舵等の絡網に機関使用は禁物です。根気よく切断除去するか、爪竿等で引っ掛けて取り外します。

?水深及び障害物の調査

 船体周辺の水深及び障害物等、保船及び離礁作業に必要な調査を行います。

?情報の収集

 気象海象(風向・風力・波浪・潮流・潮汐等)及び救助船の到着予定等、必要な情報の収集を行います。

?機関及び操舵装置等の調査

 機関・推進器1操舵装置・舵等の損傷程度及び使用の可否を調査し、自力脱出の可能性を検討します。

?船固めを行う

 風浪・潮流等の外力により、船体が浅い場所や反対に深い場所に移動すると、離礁作業が困難になります。特に、推進がある場合、深い場所に移動すると浸水量が増大し沈没の危険性があります。
 船体を安定させるため、バラスト調査(重量物・人の移動等)及び投錨等により船固めを行います。ヨットの場合、デープキール等の船底突起物により、非常に不安定な状態となります。十分な対策が必要です。

?絡網時の保船

 浮遊性の絡網は、船体の圧流防止のため、投錨又は投錨用意を行います。固定性の場合は、投錨又は漁具施設を利用し、早急に船首を風浪に向首させ、横波の船内打ち込みを防止させます。

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