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フィットネス向上の科学 1998−体育科学 第28巻−

 事業名 日本人の体力向上に関する調査研究
 団体名 体育科学センター 注目度注目度5


中学校女子バレーボール部の部活動における運動量が体力に与える影響


 要  約
 本研究の目的は,中学校女子バレーボール部の部活動における運動量と体力の関係を検討することであった.被検者はK中学校バレーボール部の生徒16名(1年生10名,2年生2名,3年生4名)であった.練習の頻度は週4日で,1回の練習は1〜3時間であった.形態については身長,体重および皮下脂肪厚(上腕背部および肩甲骨下部)を,体力については握力,背筋力,脚伸展力,垂直跳,全身反応時間,無酸素性能力および有酸素性能力を測定した.また,部活動中の心拍数の変動を測定し,心拍数一酸素摂取量関係よりエネルギー消費量を算出した.得られた結果は以下のとおりであった.
 1.形態測定値を1,2年生群と3年群で比較すると,身長は3年群の方が有意に高かったが,体重には有意差は認められなかった.皮下脂肪厚は1,2年群が27.0±7.5mm,3年群が37.4±5.7mmで,3年群の方が有意に大きかった.
 2.体力測定値について両群を比較すると,脚伸展力は1,2年群が25.7±6.9kg,3年群が37.5±3.4kgで,3年群の方が有意に大きい値であった.PWC170については,1,2年群および3年群がそれぞれ72.6±16.7Wおよび108.0±17.5Wであり,3年群の方が有意に高かった.握力,背筋力,垂直跳,往復走,全身反応時間および最大酸素摂取量では両群間に差はみられなかった.
 3.練習中のエネルギー消費量を両群間で比較すると,1,2年群は157.7±58.5kcal/h,3年群は233.5±11.1kcal/h,であり,3年群の方が有意に大きかった.また,練習中のエネルギー消費量と皮下脂肪厚,握力,背筋力,脚伸展力およびPWC170の間には有意な相関係数が認められた.しかし,体重の因子を除去して偏相関係数を求めると,有意な相関は認められなかった.
 以上の結果から,1回の練習時間が1〜3時間で,週に4日程度の中学女子バレーボール部の部活動は,体力水準を有意に向上させるほどの運動刺激とはなっていないことが示唆された.これは,中学生女子の体力水準は,トレーニングよりも個人々々の発育・発達の状況に依存している部分が大きいためであると推察される.


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更新日: 2010年8月28日

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