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3)その他の種目の運動強度
 上述のバドミントン、アイススケートの例とほぼ同様の手順によってすでに述べた各運動種目およびその個々の基本技術あ るいはゲームの強度を求めたところ、それらのほとんどが60%Vo2max以上の強度を有することが明らかになった。これまでの研 究により、60%Vo2max以上の強度は、時間条件がととのえば、持久力を高めるのに有効であることが明らかであり、すでに示した 歩・走運動による処方もそれにもとづいて作成されたものである。したがって、本研究でとりあげた各種目の強度を図1の処方図 にあてはめれば、容易にそれぞれの種目による処方が可能である。
 たとえば、図3に示したアイススケート(強度:平均70.1%)を運動手段にする場合、5分間の運動時間であれば軽いトレーニング, 15分間であれば中等度のトレーニング、30分間であれば強いトレーニングということになる。
 以上の結果により、歩・走運動以外の種目でも、全身を用いる運動で、ある程度の時間(数分間以上)持続する場合を持つ種目で あれば、それは一般の人の健康のための有効なトレーニング手段となりうると考えられる。自分の体力にあわせて決して無理す ることなく、そして入念な準備運動と整理運動を組合わせることによって、各スポーツの恩恵をこうむるようにしたいものであ る。


参考図書
体育科学センター編:体育科学センター方式・健康づくり運動カルテ、講談社、1976
体育科学センター:体育科学1〜6
体育科学センター編:スタミナ運動健康法、講談社、1977


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