日本財団 図書館


この方法では,2.5mくらいの高さに血液が上がるので,屋内で血圧を測ることが困難となり,そのため途中に水銀柱を入れ,そしてその水銀柱の高さで測るというようになったのが,現在の水銀マノメーターによる血圧測定である。
 血圧計は,アネロイドマノメー夕ーでも水銀マノメーターでもいずれでもよいが,アネロイドマノメー夕ーは必ず水銀柱式のもので,定期的に補正しておく必要がある(図46)。
 水銀柱式の血圧計で大切なことは,圧の加わっていないときは水銀のレベルが必ずゼロになるようにしておかなければならない(図47)。このレベルがゼロ以下のときには,水銀が不足しているので補充する。使用しないときには必ず水銀槽のコックを締めて,水銀がガラス管のほうへ移行しないようにする。
 ガラス管の頂上には金属の止め具がついており,その中央には小さな孔があいている(図48)。この止め具とガラス管の間には,微細な網目をもった一種のショック吸収板が入っており,ガラス管の内外をつなげているが,同時に,血圧測定時の水銀柱の拍動性の動きを少なくするように工夫されている。

図47 水銀柱0レベル 図48 ガラス柱の頂上にある
    止め金の小孔

 

前ページ    目次へ    次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION