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図21年齢別にみた血管壁の長さと張力図(Burton)

多くの人間が立ちくらみをするのは,静脈系が心臓より下方に位置しているため,起立にさいして静脈系に血液が溜まって,静脈還流が低下することによる。起立すると,心臓より下方の静脈系では重力によって位置のエネルギーだけ圧が高くなり,反対に,心臓より上方の静脈系ではそれに相当して圧が低下する。したがって,同じ静脈であっても,起立しているときには,足の静脈の血圧は90?Hgくらいになり,このような静脈圧の上昇が毛細管から水分を浸み出しやすくするので,夕方になると脚がむくむという現象は,結局,このような機序によっている。ついでながら,血圧を測るときに,測定部位を大体,心臓の高さにもってくる理由がこれによって理解されると思う。

 

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