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第4章

ドイツのホスピスボランティアにみる専門性

二村・エッケルト・敬子
ボランティア,ドイツ在住(1998年から日本とドイツを往来)

 

ドイツのホスピス事情

 1994年の秋にドイツのハイデルベルグの新聞に載っていた「ホスピス在宅ケアグループをつくろう」という呼びかけに応えて約100人の市民が集まり,最終的には三十余名が残って三つのグループができました。きょう,私はそのグループで経験できたこと,そこで考えたことをお話しさせていただきます。この話でドイツのホスピス運動に関する専門的な知識や詳しい情報を提供できるわけではなく,これは一市民のボランティア報告であることをご了承ください。ドイツでのホスピスボランティア活動には二つの形があります。一つは病院の中にある緩和病棟での活動で,たいていの場合20人ほどの患者を受け入れることができる場所です。それに準ずるものとして,町なかのお屋敷などを寄付されたり,または田舎の一軒家を買い取ってつくられる医師のいないヴィラ風のホスピスがあります。それは普通7〜8台のベッドを持つ小規模のホスピスで,そこではたいてい介護職についている者,ときには聖職についている人が責任者となっています。ハイデルベルグの場合は尼さんがチーフで,開業医や近くにある総合病院の医師と協力しながら運営されています。

 

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