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私はそういうことも十分あり得ると思うのです。だからこそ,このエモーショナルケアという分野全体を考えていくことが必要なのだと思います。
 患者さんに初めてコンタクトするときが,私たちにとって,家族あるいは家族に限らず患者さんにとって重要だと思われる人たちにかかわってもらう機会だと思います。

症例から検討

[症例1・けい子さんのケース](図1)
 では具体的なケースに沿ってグループワークをしてみましょう。
 けい子さんは52歳です。卵巣がんで肝臓転移があります。3歳の娘えりかと質素な家に住んでいます。しかし友人や隣人には恵まれていて,よく来てくれます。最初の夫は数年前に家を出たまま音信もありません。2番目の夫は同居してはいません。ときどき姿を見せますが,酔っていることが多いのです。彼は失業しています。けい子さんは在宅療養をしており,在宅ケアチームの訪問看護を受けています。彼女はかなり衰弱しています。


図1 症例1・けい子さんのケース

 

 

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