それから個人にとっては成長の機会を提供してくれますし,学習の機会も提供してくれます。自己評価の場を与えてくれるのがチームです。
私たちの在宅ケアチームは毎朝1時間ミーティングをもちます。前日の問題は何かということのレビューと新しい患者さんについて話します。そういった意味では,チームの中で学習することは多いと思います。教室で学ぶことより職場で身につけていくほうが実際的・具体的です。私たちに勇気があれば過ちから多くを学べるはずです。ですから,チームがうまく機能しさえすれば,お互いをサポートしてくれる支援的な場だと思います。そして何よりもチームのほうが楽しいのではないでしょうか。
効率的なチームは7〜8人
次にチームとしての効率という面を考えてみたいと思います。英米のマネジメント・コンサルタント会社のやった調査結果です。
チームの規模としては最大12人,最低4人,理想的には7〜8人です。このくらいだとミーティングでも一人一人が発言する時間の余裕があるといわれています。12人以上のチームになってしまうと,人間関係がうまくいかない人というのがどうしても入ってきます。
スタッフは年間に20%回転する,つまり転職するのは健全だと見なします。しかし60%の転職になるとこれは問題です。英国の緩和ケアチームの中には何年も同じことだけをやっている集団がありますが,そうすると,チームがよどんでしまいます。4年前に比べると,私たちのチームは50%も数がふえました。その50%ふえたチームをまとめていくのは大変なハードワークです。
それぞれの役割を誰にやってもらうか,その人を選択するのがとても大事です。
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