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このように風刺的にそれぞれの役割を考えてみると上記のようになるのではないでしょうか。
 お互いにプレッシャー下ではどんな反応をするのかということを多少なりとも理解しておかないと,一緒に仕事をするのはむずかしく,その結果として患者と家族が非常につらい思いをすることになってしまいます。

チームとは

 それではチームについてもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
 まず定義から始めます。
  1)チームとは共通の課題に取り組む個人の集団をいいます。
  2)その目的達成のためには相互支援と相互依存が要件となります。
 チームというのは集団で間違うこともあります。メリー・パッションがチームに関していろいろ研究をしていますが,うまくいかないチームの場合には,最もストレスの高い作業環境になると言っています。チームの中での同僚との不和や意見の違いに比べれば,患者や家族の面倒もまったく大したことではないといえそうです。お互いにステレオタイプの先入観を持って相手を見る。それからチームの中の嫉妬,役割の重複,リーダーシップの欠如,コミュニケーションの決裂,そして話し合いばかりで意思決定に至らず権力闘争に陥ってしまうというような危険があります。
 そんなことならなぜ初めからチームを組むのかと思われるかもしれません。しかし,チームでやったほうがよい意思決定ができるのです。患者にしても家族にしても,チームでかかわってもらったほうが安心していられると思います。

 

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