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「海事の国際的動向に関する調査研究」の報告書

 事業名 海事の国際的動向に関する調査研究
 団体名 日本海難防止協会 注目度注目度5
■事業の内容

海上安全及び海洋環境保全問題は国内だけでは推進できるものではなく、国際協調が不可欠である。
 従って、常に国際的な動向に注目し、それを把握する必要があるため、本年度もIMO(国際海事機関)のMSC(海上安全委員会)、NAV(航行安全小委員会)、COMSAR(無線通信・捜索救助小委員会)、MEPC(海洋環境保護委員会)、BLG(ばら積みの液体及び気体物質に関する小委員会)等に対して、積極的に参画を図り、アドバイザーとして、我が国代表を補佐するとともに、我が国の適切な対策の立案に寄与し海上安全及び海洋環境保全の推進に資することを目的に、次のとおり事業を実施した。
 [1] 海難防止関係
   海上交通は、その交通可能区域すなわち海洋が全世界に接続されていることから、全世界的な状況を把握したうえで検討を行う必要がある。その全世界的な状況の動向はすべてロンドンにあるIMO(国際海事機関)において決定される。このため、海上交通の安全確保・海難防止に関してはIMOの動向に注目して、これらを斟酌する必要がある。
  [1] 調査の方法
   a.委員会による検討
     学識経験者、関係団体及び関係官庁で構成する「海難防止の国際的動向に関する調査研究委員会」を開催して、我が国における問題点、対処方針等を検討した。
    a 委員会の開催
     イ.第1回委員会を開催して、次の事項を検討した。
      (イ) 第2回COMSARの審議概要について
      (ロ) 第68回MSCの対処方針について
     ロ.第2回委員会を開催して、次の事項を検討した。
      (イ) 第68回MSCの審議概要について
      (ロ) 第43回NAVの対処方針について
     ハ.第3回委員会を開催して、次の事項を検討した。
      (イ) 第43回NAVの審議概要について
      (ロ) 第3回COMSARの審議概要について
      (ハ) 平成9年度報告書(案)について
   b.関係資料の収集、整理及び解析
     当協会ロンドン連絡事務所との連携のもとに各国の関連情報、関連資料の収集整理及び解析を行った。
   c.IMO会議への出席
     IMO会議で審議される事項については、我が国が慎重・適切に対応する必要がある重要課題であることから、次の会議に調査員を派遣して、委員会における研究結果を踏まえて、当協会ロンドン連絡事務所との密接な協力の下に、我が国の意見の反映を図った。
    a 第68回海上安全委員会(MSC)
     イ.開催日:平成 9年 5月28日〜 6月 6日
     ロ.場 所:IMO本部(ロンドン)
     ハ.調査員:企画部主任研究員 鏡 信春
    b 第43回航行安全小委員会(NAV)
     イ.開催日:平成 9年 7月12日〜18日
     ロ.場 所:IMO本部(ロンドン)
     ハ.調査員:企画部主任研究員 鏡 信春
    c 第3回無線通信・捜索救助小委員会(COMSAR)
     イ.開催日:平成10年 2月23日〜 2月27日
     ロ.場 所:IMO本部(ロンドン)
     ハ.調査員:企画部主任研究員 鏡 信春
  [2] 調査項目及び内容
    IMO会議の課題である下記の項目について、前年度に引き続き調査研究を行った。
   a.SOLAS条約の改正、VDR(船舶航海記録装置)性能基準策定についてバルト海で発生したエストニア沈没事故に関連したRO−RO船に関する規則の強化及び重大海難の究明を目的としている。
   b.海賊及び船舶に対する武装強奪に関する対策について
     世界で多発している海賊事件に関して、IMOと海賊事件多発国が協力し、改善を協議する。
   c.航路指定及び船舶通報制度について
     全世界の数カ所において航路指定及び船舶通報制度が検討さているが、特にマ・シ海峡沿岸3カ国が共同提案したマ・シ海峡分離通航方式及び船舶通報制度は、我が国の海運に密接な関係を持っており、我が国が航行援助施設の設置に協力してきた経緯もあり、注目していく必要がある。
   d.AIS(自動船舶識別装置)の性能基準策定について
     相手船舶の針路・速力・船名等を、自船のレーダーに表示させるシステムで、相手船がデータを送信し、自船がそのデータを受信するとともにレーダー上で表示させるシステム。VTSに対しても有効であり、現在VHF等によって行われている位置通報が簡素化され、かつ正確さが増すものとされている。
   e.群島航路帯について
     国連海洋法条約によって定義されている標記に関しては、その解釈・運用等に関する議論がなされている。
   f.ECDIS(電子海図システム)について
     電子海図は、海図データを数値化し、CD−ROMを媒体とする海図システムであり、全世界で作成が推進されている。一方、RCDS(ラスター海図システム)を紙海図(現在使用している海図)と同等に扱うべきとの国もあるが、ラスター海図は使用に限度があり、安全性に問題があることから反対の声も強く、今後の検討が必要である。
   g.GMDSSの体制、運用等について
     人命の安全のため、全世界的に推進されている体制である。1999年2月の完全実施に向け、情報の収集ならびに会議に対する我が国の対処方針の検討などを行った。
  [3] 委員会の開催
    海難防止の国際的動向に関する調査研究委員会:3回
 [2] 海洋汚染防止関係
   海洋汚染防止問題は、ますます多岐にわたって国際会議の場に提起される傾向にあり、海運主導国であるわが国は、あらゆる問題に積極的に取り組み、国際対策への参画が求められている。かかる状況を踏まえて、本事業は、海洋汚染防止に関する国際的な情報を収集・解析し、関連のIMO(国際海事機関)の国際会議に参画することにより海洋汚染防止に関する国際的動向を把握し、わが国及び関係業界の適切な対応に寄与するとともに、海洋環境保全のための効果的な諸施設の確立に貢献することを目的に実施した。
  [1] 調査の方法
学識経験者、関係団体及び関係官庁等で構成する「連絡調整委員会」を設けて、それぞれ下記の事項について検討した。
   a.委員会による検討
    a 第1回委員会を開催して、次の事項を検討した。
     イ.第2回GLGへの対応
     ロ.GESAMPの最近の動向について
     ハ.その他
    b 第2回委員会を開催して、次の事項を検討した。
     イ.第2回BLGの概要報告
     ロ.その他
    c 第3回委員会を開催して、次の事項を検討した。
     イ.第40回MEPC及びMARPOL73/78締約国会議への対応について
     ロ.GESAMPの有毒性評価手順の改正について
     ハ.その他
    d 第4回委員会を開催して、次の事項を検討した。
     イ.第40回MEPCの概要報告
     ロ.第41回MEPCへの対応について
     ハ.その他
    e 作業部会を開催して、次の事項を検討した。
     イ.附属書V改正に伴う国内法の改正
     ロ.当協会発行の「プラカード」「廃物管理規程」「廃物記録簿」について
   b.関係資料の収集、整理、解析
     当協会ロンドン連絡事務所との連携のもとに各国の関連情報、関係資料の収集整理及び解析を行った。
   c.IMO会議への出席
     IMO会議で審議される事項については、わが国が慎重に対応しなければならない重要課題であるため、次の会議に調査員を派遣、出席させ、委員会における研究結果を踏まえて、当協会ロンドン連絡事務所と密接な協力のもとに、わが国の意見の反映を図った。
    a 第2回ばら積み液体及びガス小委員会(BLG)
     イ.開催日:平成 9年 4月 5日〜13日
    ロ.場 所:ロンドン
     ハ.調査員:海洋汚染防止研究部主任研究員 吉田 裕
    b 第40回海洋環境保護委員会(MEPC)及びMARPOL73/78条約締約国会議
     イ.開催日:平成 9年 9月13日〜29日
     ロ.場 所:ロンドン
     ハ.調査員:海洋汚染防止研究部長 菊地 武晃
    c第41回海洋環境保護委員会(MEPC)
     イ.開催日:平成10年 3月30日〜 4月 3日
     ロ.場 所:ロンドン
     ハ.調査員:海洋汚染防止研究部長 菊地 武晃
  [2] 調査項目並びに内容
    MEPC及びBLGに関する資料の収集、翻訳及び解析
    a MEPC及びBLGに関する資料の収集、翻訳及び解析
    b MARPOL条約に関連する資料の収集・翻訳及び解析
    c 海洋汚染防止に関する国際的事例の資料収集及び解析
  [3] 報告書の作成
   a.規 格:A4判 コピー製本
   b.部 数:100部
   c.配布先:委員会委員、関係官庁、関係団体等
  [4] 委員会の開催
    連絡調整委員会      4回
       同    作業部会 1回別紙3
■事業の成果

[1] 海難防止関係
   IMO第68回MSC、第43回NAV及び第3回COMSARに調査員を派遣し、アドバイザーとして我が国代表を補佐させ、全世界的な海上遭難・安全システム(GMDSSの運用、航路指定及び船舶通報制度の強化、海賊問題、エストニア号海難を契機としてRO−ROフェリーの安全性から取り上げられたVDR(船舶航海記録装置)の性能基準策定、ならびにECDIS(電子海図システム)の作成推進等、これらに対する具体的案件の検討等重要な議題について、我が国の対処方針への意見の反映を図った。
   また、同時に各国の情報収集及び動向調査を行い、これを関係当局及び団体等に提供、有効な活用を図った。
   さらに、委員会での検討事項及び必要な資料について報告書に取り纏め、海難防止に関する国際的な動向を知ることができる資料として、これを関係当局及び関係団体に広く配布し、海難防止の推進に寄与することができた。
 [2] 海洋汚染防止関係
   本事業は、MARPOL73/78条約(海洋汚染防止条約)に関するIMO(国際海事機関)の動向を把握するとともに、IMOのMEPC(海洋環境保護委員会)及びBLG(ばら積み液体・ガス小委員会)に関して、関係当局及び関係団体等で構成する連絡調整委員会を開催して国際会議の審議事項の検討を行い、わが国の対処方針の策定及び行政の円滑な運営に寄与した。
   また、MEP及びBLG国際会議に代表を派遣して政府代表を補佐するとともに、国際会議の関係資料の収集・翻訳及び解析を行い、これらから得た情報を、当局をはじめ海運及び関連業界に提供し有効な活用を図った。
   さらに、関係資料のうちで必要な事項については、報告書に記載し、海洋汚染防止のための参考資料として関係機関をはじめ関係団体等に広く周知して活用されており、海洋環境の保全に貢献するところ大であった。





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