■事業の内容
開発途上国は、経済社会開発のため運輸インフラ整備に努めてきたが、急激な経済変動による人や物の流れが増大したのに対して輸送力や処理能力の増大が必要となり、運輸インフラの近代化が急務となっている。しかしながら、未だ人材が不足し、十分な技術力も資金力もないことから計画の策定さえ困難な状況にある。近代化計画の策定については、我が国の経験にもとづく技術力を提供することにより容易に実現が可能となる。 ついては、調査団を派遣して現地調査を行い、適切な提言を途上国に対して行うことにより、途上国の運輸インフラ近代化計画の策定を支援するため、以下の事業を実施した。 インドネシア・ジャカルタ首都圏鉄道ベカシ線近代化計画(複々線化)案の策定 [1] 現地調査の実施 [1] 調査団 男竹 昭 協会開発部長 七戸 功 (株)パシフィックコンサルタンツインターナショナル(以下PCI) 山川 敏秋 同上 [2] 調査期間 平成9年9月28日から10月12日まで15日間 (男竹部長は10月3日までの6日間) [3] 調査地 インドネシア・ジャカルタ及びバンドン [4] 調査内容 a.ジャカルタ首都圏鉄道ベカシ線の複々線化計画を策定するために必要な現地情報収集 b.インドネシア運輸省陸運総局及びインドネシア鉄道公社との意見交換 c.日本大使館、海外経済協力基金ジャカルタ事務所への説明、意見交換 [2] 国内調査(作業)の実施 [1] ベカシ線複々線化基本路線計画の策定 [2] ベカシ線複々線化概略縦横断面計画の策定 [3] ベカシ線複々線化代表的な構造物計画の策定 [4] ベカシ線複々線化概算工事費の見積 [5] ベカシ線需要予測 [6] ベカシ線複々線化計画概略経済評価 [3] 現地説明会(セミナーの開催) [1] 調査団 上枝 弘幸 協会運輸協力研究センター 調査役 山川 敏秋 PCI [2] 調査期間 平成10年2月22日から3月4日まで11日間 [3] 現地説明会の場所及び期日 インドネシア運輸省陸運総局(ジャカルタ)2月25日 パパンダヤンホテル(バンドン)2月26日 [4] 現地説明会の参加者及び内容 ジャカルタ 運輸省陸運総局鉄道局長ほか37名 バンドン インドネシア鉄道公社技師長ほか33名 ベカシ線複々線計画案を提示・説明し、討論を行った。 インドネシア側の意見を取り入れて報告書を作成することとした。 [4] 報告書の作成 [1] 部 数 英文 100部 和文 100部 [2] 規 格 A4版 [3] 配布先 運輸省、外務省、海外経済協力基金、当協会会員、インドネシア運輸省、インドネシア鉄道公社ほか
■事業の成果
[1] 本事業の結果、ジャカルタ首都圏鉄道ベカシ線の複々線化は技術的にも経済的にも実行可能であることが明らかになった。
[2] 調査により策定した複々線化計画案については、インドネシア側の関係者に説明し、理解を得られたことにより、承認されたので、計画として事業化の検討がなされることになる。
[3] 計画策定に関する技術、ノウハウがインドネシア側に伝えられた。
[4] インドネシア側は短期間に計画案が策定されたことを高く評価し、事業実施を可能とした当協会の支援に対して謝意の表明がなされた。
|
|