■事業の内容
本研究は、工作精度予測のための切断・溶接変形の推定方法、評価のためのブロック形状の高精度ロック継手に対し、有望な超高速アーク溶接の基礎技術を習得することを目的に、本年度はその3ヶ年計画の第1年度として、下記の事項について研究を実施した。 [1] 工作精度の予測技術の研究 a.現状調査 切断・溶接変形の基礎データを収集・分析し、変形の推定手法について造船各社の現状を調査した。 b.切断・溶接変形推定技術 切断・加工から組立までの各ステージ毎の変形量を予測できる実用的な解析ソフトを開発するため、変形推定各種手法の調査とソフトの仕様を検討した。 c.切断・溶接変形防止技術 部材の延ばし、拘束、溶接手順、逆ひずみ等、切断・溶接変形の防止方法について調査した。 [2] 工作精度の評価技術 a.現状調査 部材やブロックの変形・形状計測方法および工作精度管理の実態について、造船各社の現状を調査し、計測精度および問題点を把握した。 b.工作精度評価技術 組立ステージ毎の変形量および完成ブロック形状の実用的な高精度計測方法・計測機器について調査し、有望な方法を確認した。 c.工作精度管理システム 計測データから精度を評価し、最適な位置決めやブロック形状修正の最小化法など、システム基本モデルの概念検討を行った。 [3] 実測および模型実験 a.ブロック製作時の変形計測 平行ブロックのステージ毎の変形量を計測して、その現状を把握した。 b.ブロック構造モデル試験体による試験 組立ステージ毎の変形量推定法および計測法の検証を行うため、平行ブロックおよび曲りブロック構造モデル試験の計画立案をした。 [4] ブロック継手溶接の効率化 a.現状調査 ブロック継手溶接効率化のため、現状のアーク溶接技術を調査した。 b.高速アーク現象・溶融池挙動の研究 高速アーク現象・溶融池挙動の調査・検討すべき項目を抽出した。
■事業の成果
3ヶ年計画の第1年度として研究を実施し、下記の成果を得た。 [1] 工作精度の予測技術 切断・溶接変形推定手法の現状を調査し、組立ステージ毎の変形量を予測できる実用的な解析ソフトを開発の見通しを得た。また各社の切断溶接変形の防止方法の現状について認識できた。 [2] 工作精度の評価技術 各社の部材やブロックの変形形状計測方法・計測精度の問題点を把握し、実用的な3次元形状の高精度計測方法・計測機器を絞り込むことができた。 また、計測データをもとに、最適な位置決めやブロック形状修正方法等工作精度管理システムの基本モデルの概念を作成できた。 [3] 実測および模型実験 平行ブロックの組立ステージ毎の変形量の計測とその検証を行うためのブロック構造モデル試験の計画立案できた。 [4] ブロック継手溶接の効率化 ブロック継手溶接の効率化のため、アーク溶接技術の現状と高速アーク現象・溶融池挙動について、調査・検討すべき項目を明確にできた。
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