■事業の内容
(1)地方行財政に関する調査研究 [1] 新しい高齢者介護システムに対応する地域福祉体系の構築に関する調査研究 a.研究概要 地方公共団体が、地域福祉サービスを実施し、介護ニーズに対応していくための不可欠な、総合的かつ効率的な地域福祉体系と、各種の福祉施策の展開を支える行財政システムを検討する。 b.調査項目 (a)地域における総合的介護サービス提供体制のあり方 (b)地域における主体的な福祉施策の展開に対応した行財政システムのあり方 [2] 首都機能移転への地方公共団体の係わり方等に関する調査研究 a.研究概要 首都機能移転に伴う移転先の地方公共団体の行政制度のあり方や公共施設の整備及び住民サービスの供給等に対する地方公共団体の係わり方等について、各種文献や類似例を踏まえつつ、そのあるべき姿を検討する。 b.調査項目 (a)首都機能移転に関する地方行財政の課題 (b)計画段階の地方行財政の問題点とあり方 (c)建設段階の地方行財政の問題点とあり方 (d)管理段階の地方行財政の問題点とあり方 [3] 体制移行諸国における地方制度に関する調査研究 a.研究概要 社会主義体制から自由主義体制へ移行したロシア・東欧圏のうち、ロシア連邦とハンガリーの地方行財政制度を地域研究の専門家を中心に調査し、その実態をとりまとめる。 b.調査項目 (a)対象国の社会、経済等の概要 (b)対象国の中央政府の概要 (c)対象国における地方行政制度 (d)対象国における地方財政制度 (e)対象国における地方税制度 c.調査対象地域 ロシア連邦(沿海地方)、ハンガリー(ブタペスト) (2)地域に即応した行政施策の調査研究 [1] 地方都市における大学を核とした地域づくりに関する調査研究 a.研究概要 県立大学の設置による地域への波及効果等を踏まえ、産学共同研究センターの設置、地域住民との交流施策等、学園都市づくりに向けての方策を検討する。 b.調査項目 (a)地方都市における大学立地の効果の検討 (b)大学における学術交流機能の利活用の検討 (c)地域における大学と地域住民との交流方策の検討 (d)大学を支援するための地域のあり方と広域的協力のあり方の検討 c.調査対象地域 秋田県本荘市 [2] 定住と交流の促進による中山間地域振興に係る施策のあり方に関する調査研究 a.研究概要 交流人口の拡大による地域振興を図るために、中山間地域における交流や定住促進を進める上での課題を明らかにするとともに、定住・交流促進方策を検討する。 b.調査項目 (a)中山間地域出身の都市住民におけるふるさと意識及び交流意識の把握 (b)中山間地域における高齢者の地域間交流意識の把握 (c)中山間地域における交流資源と評価の検討 (d)地域間交流の意識と交流期待の差を埋めるための方策の検討 (e)ふるさとに残る老親や財産を支える方策のあり方の検討 c.調査対象地域 福島県 [3] 山麓地域の広域的連携による地域活性化方策に関する調査研究 a.研究概要 観光産業等が停滞する棒名山麓を対象として、新たな道路整備や北陸新幹線新駅の活用を視野におき、関係市町村の連携による総合的な地域開発・整備方策を検討する。 b.調査項目 (a)棒名山麓を構成する各市町村の現況と問題点の分析 (b)上位計画及び関連諸計画等の整理と課題の抽出及び棒名山麓の整備課題の明確化 (c)山麓開発の長期的な展望及び主要事業の基本方針の設定 (d)短中期的なアクション・プログラム及び各市町村間の調整・連携システムの検討 c.調査対象地域 群馬県棒名山麓を構成する棒名村及び関連自治体 [4] レクリエーション拠点整備による中山間地域の振興に関する調査研究 a.研究概要 近年の余暇活動の多様化に対応し、豊かな自然環境を活用したレクリエーション施策メニュー及び拠点機能の整備を検討する。 b.調査項目 (a)対象地域を構成する町村の現況と課題の分析 (b)対象地域の地域資源の利活用の状況及び展開可能性の検討 (c)レクリエーションの現状・動向及び地域振興策の基本的捉え方の検討 (d)レクリエーション施策展開の目標及び施策メニュー並びに拠点機能の検討 c.調査対象地域 茨城県 [5] 住民向け地理情報システムの構築に関する調査研究 a.研究概要 地域住民への情報提供、サービス向上を目指して、地理情報システムの運用上の課題や実現方策を検討する。 b.調査項目 (a)市町村レベルにおける地理情報システム及び散り情報システムへの取組動向の把握 (b)個人情報保護に関する法令、条例等の調査と開示項目の検討 (c)平常時及び災害緊急時での地理情報システムの利用方法及び利用形態に関する調査研究 (d)情報のメンテナンス及び機器の管理・運営方法に関する検討 c.調査対象地域 京都府城揚市 [6] 沿岸地域における若者定住対策に関する調査研究 a.研究概要 漁業、水産加工業、観光を主要産業とする地域で、若者の就業の場の確保や住宅の確保、快適な居住環境の整備、交流の場の整備等、若者に魅力ある地域づくりのための具体的方策を検討する。 b.調査項目 (a)対象地域の社会経済構造の概要及び広域的動向の把握 (b)香住町在住及び出身の若者の生活実態と定住意識の把握 (c)地場産業を活かした若者の就業の場の創出に向けての検討 (d)若者定住のための住宅を中心とした生活環境づくりの検討 (e)若者にとって魅力あるまちづくりの基本方針と取組の重点についての検討 c.調査対象地域 兵庫県香住町 [7] 遊休義務教育施設の活用による地域振興策に関する調査研究 a.研究概要 3つの小学校の廃校により生じた公共用地域及び施設を活用して、他地域との交流拠点及び地域住民のコミュニティ拠点等として整備するに当たっての効果、問題点等を検討する b.調査項目 (a)対象地域の現況・問題点と活性化の基本理念・方向 (b)既存の遊休義務教育施設の活用状況、立地特性等 (c)新たに生じる遊休義務教育施設の活用の方向及び展望 (d)地域間交流の現状と今後の可能性の検討 c.調査対象地域 広島県倉橋町 [8] 産業構造の転換に対応した地域社会づくりに関する調査研究 a.研究概要 産業構造の転換に対応して策定された地域社会づくり計画の中の重点整備項目について、その事業化の可能性や事業化に当たっての課題、取り組み方策等を検討する。 b.調査項目 (a)対象地域の社会経済構造の概要及び広域的動向の把握 (b)個性ある地域づくり重点整備項目の検討・整理 (c)重点整備項目の事業化に当たっての課題抽出・事業効果の検討 (d)事業化すべき重点施策の取り組み方策の検討 c.調査対象地域 福岡県宮田町
■事業の成果
本事業では、地方公共団体が直面している諸課題の解決に資するため、多角的な見地から調査研究を行うことを目的として、第1には全地方公共団体に係る全般的な立場から、第2には個々の地方公共団体に係る地域の実情に即した立場から多角的に課題を取り上げて調査研究を実施し、成果のとりまとめを行った。 いずれの調査研究においても、先駆的なテーマ設定及びワークショップ方式や比較類型方式等の新たな調査研究手法の導入によって、地方自治を研究し、もってその進展に寄与した。
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