■事業の内容
我が国の造船業が、今後なお世界における先導的地位を維持して行くためには、造船技術水準を一層向上させることが不可欠要件であり、このためには造船技術に関する研究開発の効率的な促進を図ることが何よりも肝要である。 こうしたことから、我が国における造船技術に関する研究開発を一層強力かつ効果的に推進するとともに、研究開発成果の有効的活用に資することを目的として下記の事項について実施した。 [1] 研究開発の総合的計画の企画調整に関する調査 [1] 主要研究機関の実施計画の調査 a.造船技術研究開発平成9年度実施計画調書の作成配布 a 名 称 「造船技術開発平成9年度実施計画調書」 b 内 容 国立研究機関、大学および民間団体計42機関につき調査し、該当計画のある38機関の研究開発実施計画を収録した調書を作成配布した。 c 体 裁 A4判 107頁 400部 d 配布先 官 庁 等 50 大 学 35 団 体 39 会 社 等 66 委 員 100 次期総会用 25 そ の 他 85(次年度アンケート調査先配布用45部を含む) ──────────── 計 400 [2] 重要研究開発課題の動向調査 a.平成9年度重要課題調書の作成配布 a 名 称「造船技術研究開発重要課題調書」 b 内 容 企画調整委員会および調査部会において、我が国造船業にとって今後重要となるであろうテーマについて、その動向等の調査を行い、提言等をとりまとめた重要課題調書を作成配布した。 c 体 裁 A4判 28頁 400部 d 配布先 官 庁 等 50 大 学 35 団 体 38 会 社 等 70 委 員 100 次期総会用 25 そ の 他 82 ──────────── 計 400 [2] 研究開発の評価 [1] 研究開発成果の評価 a.研究開発文献目録集の作成配布 a 名 称 「造船技術研究開発発表文献目録集?29」 b 編集方針 イ.国内技術文献より収録する。 ロ.研究および開発に関する論文報告を主とし、解説・展望等の重要と思われるものも含める。 c 内 容 平成8年度を中心として公表(刊行)された85誌を調査し、うち63誌から1,237 課題を収録し、追跡評価委員会および各部会の審議を経て、課題内容により部門別に分類し、発表誌名、実施機関、著者、公表年月日等を記載した文献目録集?29を作成して広く関係方面に配布した。 なお、部門別の課題数は次のとおりである。
部 門 課題数 流力部門 334 構造溶接部門 176 機関部門 173 設計艤装部門 296 海洋部門 258 ────────────── 合 計 1,237
d 体 裁 A4判 83頁 450部 e 配布先 官 庁 等 53 大 学 35 団 体 57 会 社 等 154 委 員 100 次期総会用 25 そ の 他 26 ───────────── 計 450
b.平成9年度研究評価書の作成 a 研究評価の対象 追跡評価委員会および各部会において審議を行い、平成8年度までにその成果が発表(刊行)された日本財団補助金等により民間研究機関が実施した研究開発の内から対象課題を選定した。
b 研究評価担当者 1課題につき2名とし、対象課題の研究担当者以外の専門の権威者を選定の上依頼し、研究評価書(平成9年度)を作成した。 c 部門別課題数および評価担当者数
部 門 課題件数 担当者数 設計艤装・流力部門 1 2 構造溶接部門 1 2 機関部門 1 2 設計艤装部門 1 2 海洋部門 1 2 流力・海洋部門 1 2 ────────────────────────── 計 6 12
d 体 裁 A4判 6分冊 計37頁 各70部 e 配布先 日本財団、研究開発実施者、研究評価担当者、および追跡評価委員会関係委員等(限定配布) c.企画へのフィードバック 研究評価の結果、各課題について、指摘された問題点とその対策のうち、今後の企画にフィードバックすべき緊急度等について追跡評価委員会および関係部会において審議し、必要に応じて企画調整委員長および研究開発実施者に提示して、企画にフィードバックした。 [2] 成果活用の追跡評価 a.成果活用状況調査報告書の作成 a 調査の目的 民間研究機関がこれまでに実施・終了した研究開発について、これらの研究開発の成果がその後造船技術の改善にどのように活用されているかを調査して報告書にとりまとめ、さらに広報パンフレット等を作成して関係方面に周知し、今後の研究開発の推進に資する。 b 調査の内容 追跡評価委員会及び各部会において審議を行い、これまで民間研究機関が実施した研究開発の内から、調査対象分野として次の4分野を選定した。 イ.舶用ディーゼル機関高性能化に関する研究開発 ロ.造船用材料に関する研究(その2) ハ.船型改善に関する研究 ニ.係船・係留システムに関する研究 各分野について、対象分野毎に3名から7名の専門家からなる調査担当者を委嘱し、さらに調査委託等を行い、各分野の研究開発の成果がその後造船技術の改善にどのように活用されているかを調査し、広報パンフレット作成のための資料を蓄積すると共に、調査報告書を作成し関係者に配布した。
c 体 裁 A4判 4分冊 計149頁 計330部 e 配布先 委員及び関係者 50 その他 20〜50 ───────────────── 計 70〜100
また、「船型改善に関する研究」については広報パンフレットを作成した。
■事業の成果
わが国の造船技術研究開発を行う各公的研究機関は、各々独自で計画を企画して実施することが多く、研究開発の重複や重要な脱落を生ずる場合も少なくないので、技術開発の総合的計画の企画と調整を行うことにより造船技術水準の一層の向上を図るために、主要研究開発機関の当年度の実施計画を調査し、調書を作成した。また、今後重要となるであろうテーマについて、その動向等を調査し、提言等をとりまとめた調書を作成し、関係方面に周知することにより、初期の目的である総合的開発計画が合理的効率的に推進されることに大きく寄与した。
さらに、研究開発が一応の終了を見ても、その内容・成果等が周知されないままとなっているものや、その目的が十分達成されない段階で打ち切られているものも少なくない。このため前年度までに国内技術誌に公表された論文等について調査し、課題名を収録し、文献目録集として刊行配布し、終了した研究開発のうちから選定した対象課題について各専門の権威者による研究評価を実施して、問題点とその対策を明らかにし、必要に応じて企画にフィードバックした。これまでに実施された研究開発の成果がその後どのように活用されていかについても調査を行い、研究開発の成果の効果的利用の促進に大きく寄与した。
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