
■事業の内容
海上の気象・海象、特に海上風・波浪の規模の予測が海難防止に果たす役割はきわめて高い。 短時間で広域の面情報が得られる衛星データは、非常に有効であり気象・海象の予測を行うには衛星データの解析技術や、全球的な気象・海象の特性も把握しなければならない。一方、極域の海氷の挙動は気候変動監視の指標である。衛星データを用いて海上交通の安全性・効率化、地球環境問題の議論に寄与する海上風や波浪、海氷から得る解析処理技術を調査研究する目的で以下の事業を実施した。 [1] 文献調査 オホーツク海における海氷を衛星からリモートセンシングにより観測する手法を調査するため、衛星による海氷観測に関する文献、図書等を収集し、衛星観測技術の基礎についてとりまとめた。 [2] 資料の収集 衛星データを用いて海氷密接度を推定し、その推定方法を検証する目的で、衛星データ(SSM/I,RADARSAT, NOAA、ひまわり)と気象庁海氷資料を収集した。また、海外の海氷観測の現状を調査するため、関連機関の情報を収集した。 [3] データ処理の調査開発 マイクロ波放射計により海氷を推定するアルゴリズムを検討し、SSM/Iデータを用いてオホーツク海の海氷密度分布を推定するアルゴリズムを開発した。 [4] 海氷衛星観測の比較解析 RADARSAT, NOAA、ひまわりの画像データを用いて、海氷観測の相互比較を行い、衛星データの有効性を検討した。 [5] 海氷数値シミュレーションモデルの検討 海氷数値モデルを構成する基本要素を調査した。次に、単純化した海域での海氷移動に関して、連続体モデル、個別要素モデル及びDistributed Mass/Discrete Floeモデルの三つのモデルの特性を調べた。
■事業の成果
[1] オホーツク海における海氷を衛星に搭載されたマイクロ波放射計により観測する手法について調査研究を行った。すでに提出され実用化されている数種類の海氷アルゴリズムの特性を調査し、オホーツク海に適用することが可能か検討を行いアルゴリズムの改修を行った。新しいアルゴリズムにより推定した。 海氷分布は、気象衛星NOAAによる海氷域と一致し、マイクロ波放射計がオホーツク海の海氷監視業務に役立つことが明らかになった。
[2] 合成開口レーダーを用いた海氷観測の有効性について可視赤外センサーとの比較を行い検討を行った。これにより、合成開口レーダー画像が海氷観測に有効に利用される可能性が示された。
[3] 海氷の力学的モデルと熱力学的モデルについて概略をまとめた。海氷の力学的変動を記述する数値解析モデルを調査した結果、ここで取り上げた三つの海氷モデルはそれぞれ異なった特性を持っており、海氷の変動を数値的に取り扱う場合は、その特性を十分に把握することが重要であることが明らかになった。
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