今日スウェーデンで定義されている知的障害をもつ人たちのグループホームの条件は次のようなものです。
(1) 個人の住まいの空間は40m2以上であり、プライバシーを守れるように、ほかの人たちの住まいや共有の部分とは独立している。ドアには鍵があり、直接外部に出られる。
(2) 個人の住空間には、寝室、居間のほかに固有の台所とトイレット+浴室(またはシャワー)がある。
(3) (1)(2)に示したような個人の住居が4〜5戸合体し、その中央に共有の居間と食堂、オフィス+職員の宿直室、洗濯室、倉庫等がある。
(4) これら住居には、日常生活の介護、社会参加や余暇活動の援助をする職員が配置されている。職員の数やシフトは、住んでいる人たちのニードによって決められる。
(5) 住人に対しては、住居以外の場所での仕事、活動の場(主としてデイセンター)が保証されている。
(6) 住人は食費、日用経費、住宅費を自己負担とし、援助職員の人件費は公費(市町村の負担)でまかなっている。
ストックホルム市の発達障害児者地域援護局の専門チームに所属する心理士のラッシュモランデル(LarsMolander)さんの話では、ストックホルム市の各コミューンでは、すでに80〜85%が地域社会で生活しており、施設に入所している人たちは15〜20%程度であろうとのことでした。この施設も21世紀初めには閉鎖されることが決まっています。ストックホルムは大都市ですから、地価や不動産も高く、適当なグループホームを確保することはなかなか難しいそうです。大都会ですから、高層住宅の1ブロックを借りるような方法が多く、公営住宅も利用されています。それでも古い時代のものは手狭なものも多く、今後改善の余地があるとの話でした。
参考のためにストックホルムのグループホームに住んでいる人たちの平均的な家計をあげておきます。