スウェーデンでは18歳になると、大人=成人としての諸権利が生まれます。
前章でふれた通り、LSSに基づく施策は、障害をもつ人自らが要望したときのみ実行に移されます。ですから、大人になっても自分にどんな援助が必要なのか言葉で表現できない人は、第三者がこれを代弁することが必要になります。当然その場合には、本人を最大限尊重し、その要望に対して十分耳を傾けなければなりません。このように、障害をもつ人個人の自己決定と人格の尊厳を重んじるのがLSSの基本的理念ですが、とくにパーソナルアシスタントは最大限援助を受ける人の意向が反映されなければなりません。また、個人に提供される支援やサービスに不満があって、関係機関または裁判所に訴えるときも同じです。
LSSの15条には、グッドマンやフォールバルタレが必要になった時、あるいは不必要になった時、市町村の義務として、地方裁判所の人権擁護監視機関に届け出ることが明示されています。