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4.3.4 長周期波と水深の関係

 

水深と長周期波波高の関係を図-4-12に示した。

図によると、港研構内やアシカ島においては地形的な遮蔽効果を受けて低くなっているが、そのほかについては、水深が浅くなるほど長周期波高が高くなる傾向が見られる。図中には破線で浅水係数のオーダエとなる-1/4乗を示した。比較的地形の遮蔽効果が少なく、かつ近隣に位置する釜石と仙台新港、波浮と鹿島、および潮岬と室津が同上線上に乗っている。

一般に、自由進行長周期波の波高はグリーンの法則により水深の-1/4乗に比例する。他方、ラディエーションストレスによる水位変化は、風浪の場が一定であると仮定すれば、水深の-1乗に比例する。この点について図を見ると、どの近接観測地点でも、ほぼ水深の-1/4乗の点線に沿った水深と平均長周期波高の関係が見られ、-1乗の急な勾配は見られない。このことは,常時観測される長周期波成分は拘束波よりも自由進行波に近いことを示唆している。

 

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