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4.3.2 m0とm0Lの相関関係

図-4-8は解析期間すべてについて、横軸にm0を、縦軸にm0Lを、それぞれ対数軸にとってプロットしたものである。図の座標軸は対数表示で、m0Lはm0に対し2桁小さい値となっている。図中m0Lのm0に対する0.1%、1%および10%の破線が入っている。

これらの図から全般的な傾向としては以下のことを見出すことができる。

?全地点においてm0Lはm0の0.1〜10%の間に分布しており、m0が増加するとm0Lも増加し、m0とm0Lは強い正の相関が見られる。これは4.3.1で示した傾向を裏付けるものである。

?分布の形状によって大きく次の2つに分けることができる。(*は水深-45m以上の大水深地点)

 

092-1.gif

 

いくつかの例外は見られるが、全般的には大水深地点の分布が丸みを帯び、水深のやや浅い地点が跳ね上がった分布をしている傾向が見られる。これはm0が大きい高波浪の状況になると、長周期波成分m0Lが相対的に大きくなるためにこのような分布になると考えられる。

?相関関数のベキ指数はm0の増加に対する、m0Lの増加の程度を示すが、これを海域別に示すと次の表の通りとなる。(アシカ島と港研は内湾域にあるため除外した。)

 

092-2.gif

 

この表によれば、北海道〜東北地方の太平洋沿岸域でベキ指数が全般に高く、次いで関東〜沖縄の太平洋沿岸域で高く、日本海沿岸域では比較的低めの値となっている。これは全般的には太平洋側の方が日本海側より長周期波成分エネルギーが大きめで、その中でも北海道〜東北地方沿岸域が全エネルギーm0の増加に対して、長周期波成分エネルギーm0Lの増加の割合が大きいことを示している。

 

 

 

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