日本財団 図書館


3.3 アンケート・ヒアリング調査のまとめ

 

3.3.1 船体動揺の実態

 

1)支障の有無

・支障ありと答えた港が43港中、33港(77%)、支障なしと答えた港が10港(23%)で、大きな問題となっていることが明らかとなった。

 

2)支障等の具体事例

・うねり、長周期波による係留船舶の支障が22(51%)の港・バ―スで問題になっていることが分かった。さらに、長周期波が原因と思われる、船舶がサージの動揺をしている港も8港(能代港、新潟西港、富山港、釧路西港、十勝港、仙台新港、広野港、細島港)と多く見られた。

 

3)荷役限界波高

・波浪・うねり・長周期波に対してそれぞれ荷役限界波高を設定している港数は、以下の通りである。

波浪:22港(51%)

うねり:25港(58%)

長周期波:11港(26%)

 

4)管理体制

・独自の気象・海象観測を行っているところは19港(44%)あり、そのうち気象観測のみが2港、その他は気象・波浪観測の両方を行っていた。

・民間気象会社から情報を入手しているところは24港(56%)あり、このなかには、気象台、測候所、保安部から情報入手していると答えた5港も含まれている。また、台風接近時のみ情報を入手しているところが4港あった。

・載荷状態、潮位の変化に対して注意を払っているところは24港(56%)であった。さらにどの様な係留索の管理を行っているのか尋ねたところ、当直者が定期的に巡回し、索の張り具合をチェックすると答えたところが多かった。

・波浪、船体動揺に対して注意を払っているところは28港(65%)であった。係留索の管理では、動揺が大きくなったときは索の増し取りを行うと答えたところが多かった。

・障害が予想されるときに予め荷役を中断、時には船を沖出しすると答えたところは30港(70%)であった。

 

3.3.2 現状における問題点と要望

 

1)係留船舶の支障についての問題点・意見

・港湾の構造に関する回答として「ブレストラインをもっと長くとることができるようにしたい」、係留索に関する回答として「索の張力を均一にかけたいがうまくいかない」等が多くあった。

 

2)波浪、うねり、長周期波の情報への要望

・局所的な予報、ポイント予報、時間間隔の細かな予報を要望するところが非常に多かった。また、長周期波の発生予報と答えたところが5港あった。波浪.うねり・長周期波成分を分けて波高・周期情報を出して欲しいと答えたところも多かった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION