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なお、船舶番号は、登録前にあらかじめ点附を受ける必要がある場合には、船舶所有者は、船舶信号符字の内定の取扱((2)参照)に準じて、申請書を提出して、内定を受けることができる(昭和24年8月24日船監897号船舶局回答)。

(2) 信号符字(同2号)

船舶の信号符字とは、その船舶の同一性を識別する一種の国際的な表示であって、信号をなすために用いられる符号である(注1)。わが国では無線電信を有する船舶には「J」を頭字とするアルファベット4文字及び数字の「7」、「8」を頭字とする4文字の信号符字を点附することとなっており、また、無線電話のみを有する船舶及び無線設備を有しない船舶には、「JD〜JM」を頭字とする6文字の信号符字を点附することとなっている(注2)。なお、信号符字は、国際電気通信条約附属一般無線通信規則第14条によって無線電信の呼出符号と一致させるべきことと定められている。

(ア) 信号符字の点附、取消

船舶の信号符字は、総トン数100トン以上の船舶に対しては、新規登録の際に管海官庁が職権により必ずこれを点附することを要し、総トン数100トン未満の船舶に対しては、船舶所有者の申請によって、必要とする場合にはこれを点附し(必要理由を明記した申請書を提出すべきである)、又は取消すことができるものとされるのである(細則17条ノ3)。

なお、船舶の登録が抹消された場合には、その船舶所有者が信号符字を受有する意思を有していても、職権で信号符字の取消がなされるのである(実務上は抹消登録がなされたときに、自動的に取消されるものとして取扱い、特にその旨を所有者に通知しない)。信号符字は、汽船、帆船の別を問わず、これを附すべき船舶ごとにその登録の順序にしたがって、あらかじめ運輸省より配付されたもののうちから1個を点附する(手続20条1項、3項)。ただし、一旦信号符字を取消した船舶に信号符字を附する場合には、最初に附したものを再用することができるが、この場合には、必ずその信号符字がすでに他の船舶に点附されたか否かを運輸省に照会することを要する(手続20条4項)。

管海官庁が信号符字を点附又は取消した場合には、運輸大臣はこれを官報に告示する(細則17条ノ4)。その趣旨は、船舶関係者に周知させて、その活用を図るためである。

(イ) 信号符字の内定

未登録の新造船舶が無線電信の施設をなし、新規登録以前に無線局開設のため呼出符号を受けることを必要とする場合には(注3)、船舶所有者は、船舶信号符字内定申請書を提出して、その内定を受けることができる(昭和22年3月5日船舶局長通達海舶監135号等)。その申請は、当該船舶の船籍港を管轄する管海官庁が取扱うのであり、申請書の受付は船舶の総トン数の測度の申請後であることを要するとされている。また、管海官庁が信号符字を内定した後において、船舶所有者の変更又は船籍港が変更した場合には、二重点附を防止するため、その旨を新管轄管海官庁に通知するものとされる(昭和13年7月22日管船局通牒船庶511号)。

 

 

 

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