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では、風が異常に強い時や海流の変動がはげしい場合などを除けば、10分後の11時には潮が動きだすと考えてよいでしょう。

 

9.旧暦と潮回り(大潮、小潮、若潮等)

Q4 大潮、小潮、若潮とは、どんな状態をいうのでしょうか。旧暦と潮回りについて教えて下さい。

A4 ご存じのように、潮の干満は月の満ち欠けの形、換言すれば旧暦にしたがって潮高や時刻が変化していきます。

新月(月が太陽と同じ方向にあるときで夜を通して月は見えない)や満月の前後は、干満の差が大きく大潮と呼ばれており、上弦(月の右半分が光った半月の状態で、夕方西に傾く頃弦を上にした弓のように見える)または下弦(月の左半分が光った半月の状態で、朝方西に傾く頃弦を下にした弓のように見える)の頃は干満の差が小さく、小潮と呼ばれています。旧暦でいうと、大潮は1日または15日頃、小潮は8日または23日頃ということになります。

潮差が一番小さくなる日も上弦や下弦の時期とは1日程度ずれており、上、下弦を1〜2日過ぎた頃は、干満の差が小さいために海面の変化がなだらかで、海岸でその変化を見ていても、干潮または満潮の状態がだらだらと続くように感じることがあります。これが小潮の末期で、江戸期から漁師の間で長潮と呼ばれている時期であり、この日を境にして潮差が大潮に向かって大きくなっていきます。

したがって、長潮の翌日は潮が若がえって、次に動きの大きな大潮に移るということから、若潮と呼ばれるのです。

中潮というのは、大潮から小潮に至るまでの期間で、旧暦の3〜6日、18〜21日頃をこれにあてています。

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