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? 日本海の概要

 

1. 日本海の呼称の由来とその範囲

古くはイエズス会の宣教師などが作成した古地図に日本海の形状が表現されていますが、日本海の呼称がはっきりと記されたのは1737年発行の「世界大地図帳」に収録されているマチアス・ソター編の日本地図で、日本海には「MER DU NORD DUJAPON」とあります。以後世界周航の途次日本海を探検して宗谷海峡(ラペルーズ海峡)に名前を残したフランスの探検家ラペルーズの1787年の「日本周辺図」、1792年の司馬江漢による「地球全図」、また、1806年の奉使日本紀行の「世界総図」に「日本海」の呼称がみられます。日本海の呼称が広く世界に通用するようになったのはロシアの提督クルゼンシュテルンが1815年に出版した「世界周航記」の中で日本海が「ヤポンスコーエ・モーリエ」と記されてからといわれています。1863年発行のイギリス海図には「日本政府の公認資料により編集された」と注記されて、日本海には「SEA OF JAPAN」の記入があります。

この日本海について、どこまでをその範囲とするかについては、4つの海峡(対馬、津軽、宗谷及び間宮)で線引きするものをはじめ区分する目的によりいろいろな線引き方法があり確定的なものはありませんが、世界各国の水路機関が加盟している政府間機関である「国際水路機関」が、海図等を作成する業務の便宜上“いかなる法的、政治的意味を含むものではない”として、世界の海洋と海の境界の線引きを行っています。それによれば、日本海の範囲は北界をサハリン西岸の南端から対岸のロシア東岸に引いた線、南界は九州西岸から済州島をとおり朝鮮半島西岸端に引いた線で、ユーラシア大陸と日本列島に囲まれた海域としています。

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