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5.1.4 開発結果

今回開発したアルゴリズムは、平均水温を各月ごと(0m、100m、200m)に求め、それから観測値を引いたもの、つまり偏差を重要なパラメータとした。ここで、平均水温の月別変化を図5.1.4〜図5.1.6に示す。グラフで見るように各領域ともに、0mでは月ごと、季節ごとに変動して、100mでも同様に変動しているが、200mではほぼ一定の水温になっていた。水温の鉛直構造を見るために、指定領域内において、水温データが0mから200mまであるものを観測資料として選び出し、その海域における関係式を導くためのデータとした。

次に今回用いたEOF解析の結果を以下に示す。まず説明変量と各モードに注目する。図5.1.7〜図5.1.15が示すように30°N〜31°Nの領域においては、第1モードに注目すると100mから200mで各月ごとに経験的直交関数が0.5に集まっており、これが何かを表しているのではないかと思われる。同様なことが、31°N〜32°N、32°N〜33°Nの領域についても言える。

今回に解析において、各深度の水温を入力する際に、緯度経度を同時に入力した。したがって位置的要因が大きく影響しているのではないかと思われたが各領域ともに第1モードでは、あまり影響がなかったといえる。30°N〜31°N、31°N〜32°Nの領域においては、第2、第3モードで位置的要因が大きく作用したと思われるが、各月ごとのまとまりが見られなかった。32°N〜33°Nの領域においては第2モードでは、経度で各月ごと経験的直交関数が、0.8に集まっており、また同様に、第3モードでは緯度で、0.8に集まっており位置的要因が大きく作用していたことが解った。

次に、各モードの振幅と各深度の偏差に注目する。図5.1.16〜図5.1.51に示すように、X軸に各モードの振幅、Y軸に各深度の偏差を設定し相関を求めた。グラフで解るように、各領域ごと、月ごとに第1モードにおいてよい相関が得られた。しかし第2、第3モードにおいてはグラブのように、ほぼ無相関となった。つ

 

 

 

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