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第5章 自動衝突予防援助装置(ARPA)

 

自動衝突予防援助装置は普通ARPAと略称されているが、これはAutomatic Radar Plotting Aidから作られた略語である。一般のレーダーによって船舶相互間の衝突を防止するためには、リフレクションプロッタなどを用いた手動のプロッティングによらなければならない。ARPAは、この代わりにレーダーからの情報を電子回路とマイクロプロセッサで処理をして相手船の動きを常時自動的に監視をし、衝突の危険の度合を計算して、それらを分かりやすい形で表示するとともに、危険な状態になったらそれを警報し、かつ、その船を避ける操船方法を試行することのできる装置である。

 

5・1 プロッティングと相対速度

 

航行中の船舶や障害物との衝突を防ぐためには、予測と回避の二面を考えなければならない。そのためにはレーダーの情報を解析して種々の必要なデーターを得なければならないが、レーダーそのものは目標の相対的な位置(方位と距離)を測定する機能しか持っていない。

 

すなわち、自船に搭載されているレーダーによる目標の測定は、あくまでも目標の相対位置がどのように変化しているかを測定することであり、これをレーダーの画面上でプロットしても、(図5・1のt0〜t3)それは目標の相対運動が分かるだけであって、真運動を現してはいない。この真運動の速度は、相手船の相対速度と自船の速度とのペクトルの和として得られる。これらの、目標の相対速度と真速度は、衝突の予防のためには非常に重要な要素である。

083-1.gif

 

5・2 レーダーの映像の表示方法による分類

 

5・1で述べたょうに衝突の予防のためには、レーダーの情報を解析してプロットしていく必要があるが、このレーダ切映像の表示方法には、次のような種々の方式がある。

 

 

 

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