日本財団 図書館


数の信号を作りだす部分がミキサである。

バランスドミキサは3dB(デシベル)結合器とクリスタルダイオードから成っている。外観を図3・21に示す。

050-1.gif

3dB結合器というのは、図3・22のように空中線からの受信信号(RF)を半分ずつに分けて、これらをクリスタルダイオードで検波し、同時に、局部発振器の出力(LO)も半分ずつに分けて合成するが、その位相がお互いに180度なので局部発振器からの雑音は相殺され、約3dB S/N(信号対雑音比)が改善される。このため、3dB結合器と呼ばれている。

マイクロ波信号のミキサとしては、クリスタルダイオードが広く使用されている。これは、ダイオードの非直線性を利用して二周波を合成するものである。このクリスタルダイオードは図3・23に示すような構造で、シリコンとタングステン線とを特殊な容器に収めたものである。クリスタルの面には、感度の良い点とそうでない点とが分布しているが、タングステン線のとがった先をその最も感度の良い点に当て、その点が移動しないように封入剤を入れて水密にしたものである。クリスタルダイオードの抵抗をテスターで計ると、その電圧の極性の加え方によって異った値を示す。この両方の値の比の前後比(又は順逆比)と呼んでいる。この方法はクリスタルダイオードの良否を調べる簡略法であり、良好な動作をしているときの前後比は、順方向で400Ω以下、逆方向の場合は10kΩ以上である。クリスタルダイオードの電圧電流特性は図3・24に示すように負電圧に対して高い抵抗を示し、正電圧に対して低い抵抗を示す非直線性の特性をもっている。

クリスタルダイオードによるミキサの等価回路は図3・25に示すとおりである。出力としては、クリスタルダイオードの非直線性の特性により、二つの周波

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION