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となくレーコンの信号のみが表示されることになるが、余り現用されていない。

(3)周波数アジャイル・レーコン

周波数アジャイル・レーコンは、レーダーの送信パルスの周波数を自動的に測定し、その測定された周波数にレーコン送信パルスを自動的に設定するように改良されたもので、かなり近代的な装置である。しかし、このままではレーダー空中線の回転ごとに毎回レーコンの信号が表示されるので、観測地点によっては物標のエコーと重なって、レーコンの信号が邪魔になる場合が少なくない。しかも、これは比較的近距離に接近して、細部の障害物(船舶、岩礁等)を確認したい場合に顕著になることが多い。このため、その欠点を除いたものに、上記固定周波数レーコンの運用動作に似たオフセット周波数レーコン(レーダー側にこのレーコン対応の専用受信機が必要となる。)や、時間オフセット周波数アジャイル・レーコンがある。

この時間オフセット周波数アジャイル・レーコンは、前記低速周波数掃引レーコンの欠点である、短交会時間と長交会頻度(レーダー空中線が1〜3回転の間にレーコン信号が映り、次に映るのが30秒以上から90秒程度の後と、間が大き過ぎること。)を解消するためになされたもので、両者を任意に設定できることと、レーダー側に改造を必要としないという大きな長所を持っている。

以上のレーコンと称されるレーダー・トランスポンダーには、いずれの形式のものにも長所と短所があり、現在も新方式レーコンの研究が行われている。

これらの研究はレーダー装置の改良や省エネルギーをレーコン用マイクロ波送受信機の開発、あるいはデジタル技術に影響され、例えばカラーレーダーが出現してくれば、レーコンは前記の様な符号によらず、明確な色の点で表示することも可能となる。しかし、過渡期においては従来のモノクロームレーダーとの共存性も考慮しなければならず、今後数年は現れそうにない。

 

2.7.4 捜索・救助用レーダー・トランスポンダー

 

(1)捜索・救助用レーダー・トランスポンダーとは

捜索・救助用レーダー・トランスポンダーは、船舶や航空機が海上で遭難あるいはこれに類するような人命の安全に係る重大な事故が発生した場合、

 

 

 

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