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9.3 業務及び管理システムの電算化

 

業務及び管理システムの電算化は、昭和40年代の大型計算機の導入に始まり進められてきている。しかし昭和40年代は端末もなくすべてのデータをカードにいれてバッチ処理の方式で、その利用形態としては乏しいものであった。昭和50年代は、造船景気の減速もあり大きな進展はなかったが、端末機は着実に増加、会話型のシステムへと移行していった。また50年代後半から60年代、そして現在に至るまではパーソナルコンピュータ(PC)の出現に始まり、高速化、容量増加は年毎に進み、机の上または横に置ける形態で大型機と同等以上の性能を持つエンジニアリングワークステーション(EWS)が、しかも比較的廉価で登場するようになっている。

このような中で、設計業務の効率化、精度向上及び現場の生産管理能率向上、生産性を向上させることを目的として、いまの環境に合った電算化が各所で進められている。

本教科書は管理が主体であるが、ここでは、設計そのものに管理を含めそれらの電算化システム化の状況を概説する。

 

9.3.1 電算化の手法

 

(1)業務の形態

(a)これは、一般に定形的なフォームを埋めることにより処理できる内容の業務であり、基本的にはその業務内容が標準化されているものである。

すなわち、システム化を行うのに一番都合の良い業務形態である。

例えば、電力調査表など、補機の容量、台数、使用条件などを埋め計算を行い処理を行うような内容のものである。

このような業務は、それぞれにアプリケーションソフトを制作し利用すればデータも自動的に蓄積され使えば使うほど便利になるという環境が作り易い対象である。

(b)非定形業務

その都度処理内容が異なる業務対象が、非定形業務でありシステム化を行うのは困難な対象である。

例えば、船主に対する説明等に作成される試料などがその例である。

すなわち、その目的では一度しか使用しないものを、その都度ソフト製作したのでは、その製作費用が回収できないという対象である。

一般にこのような対象には、汎用ソフト、即ち、ワープロ、表計算、データベース、CADなどが利用され、ソフトを作成するにしても、汎用ソフトに付属の簡易言語で処理するなどの方法で処理されることが多い。

このような場合にも、データが蓄積されると、同様の内容が利用できるケースが多く、その利用価値は高い。

 

 

 

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