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3. 港湾関連事業の現状

 

3.1 港湾の現状

 

フィリピンの港湾は公共港湾(国有港湾と地方港湾)と私有港湾からなるが、その正確な数は明らかではない。(公共港湾と私有港湾を合わせて1,000港程度と言われている。)フィリピン港湾庁(PPA)がPPAポートシステム(PPAが自ら開発・管理する港湾の総称)に組み込んでいる港湾数は表-3.1のとおり全国で122港となっている。(主要港湾の配置を図-3.1に示す。)

 

3.1.1 港湾施設

 

代表的な港湾の施設概要は次のとおりである。

(1)マニラ港(図-3.2参照)

マニラ港はパシグ川の北にあり、内貿貨物を取り扱う北港、パシグ川の南に位置し外貿貨物を扱う南港および北港の西に位置し外貿コンテナ貨物を取り扱うMICTの3つの主要部分から成り立っている。

1)北港(Manila-N.H.)

長さが220-250m、幅が80-100mスリップ幅が100-140mの7つのピアーがあり、これに加えて内貿コンテナ用に水深-8m、延長375mの埠頭が完成したところである。これら施設は北防波堤で防護されている。ピアー部分の水深は4.5m-6mである。貨物の荷役はほとんどがシップギアーかモービルクレーンで行われている。

北港の施設はリハビリが行われているものの、埠頭用地が狭く荷役能率は低い。

2)南港(Manila-S.H.)

長さが350-400m、幅83-103mの5つピアーがあり南と西の防波堤で守られている。水深は5.9-10.2mであるが、ほとんどは10m以上の水深を有する。

2つのピアー(Pier 3、Pier 5)が現在コンテナ用に利用されており、Pier 5については埠頭をさらに沖側に256m延長(幅54m)する工事が完了したところである。コンテナクレーンは、Pier 3に3基、Pier 5に6基が設置されている。

背後のコンテナヤードの拡張が進められているものの、北港同様オープンスペースは狭い。

3)MICT

1988年6月12日にICTSI(The International Container Terminal Service,lnc)がMICTを引き継いだ。バース延長1,300mで5バースあり、コンテナクレーン10基(3基:35トン,ブーム115ft、7基:40トン,ブーム145ft)が設置されている。水深は12-14.5m、29haのコンテナヤード、10,208平方メートルのCFSがそれぞれ1棟、2棟ある。

また、マニラ港内及び周辺の交通混雑によりコンテナ貨物の移動に支障を来し

 

 

 

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