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3.2 タイ港湾公社

 

タイ港湾公社The Port Authority of Thailand(PAT)は、「タイ港湾公社法」に基づき、国家と国民の公益のための港湾活動を行うことを目的に1951年に設置された組織である。組織上は運輸通信省の監督のもとに置かれているが、港の管理運営に関する基本政策の策定はThe Board of Commissionersに権限が移譲されており、PATがその実施主体に任命されている。

1994年から1998年の5会計年度における政策は以下の通りである。

?@ 輸出入コンテナ貨物のコンピュータ化など新しい技術の導入を図り効率と安全を確保するとともに、船舶及び貨物へのサービスを向上する。

?A 国家を代表する企業としての地位を得るために、港の組織、管理、運営の効率化を図る。

?B 業務要請の実体に合った配置計画によって人事管理の効率化を図る。また、人材開発計画を継続し、人件費の節減に努める。

?C 適切な対策と設備によって、港湾活動から発生する環境問題を改善する。

?D コマーシャルベース化を促進し、港湾活動への民間の参入を働きかける。

?E 組織機構並びに既存の規則や制度を見直し、市場潜在力を開発してコマーシャルベースの効率的な業務運営を行う。また国際港としてレムチャバン港を促進する。

 

PATの組織はThe Board of Commissionersの下に図3-2に示す機構で構成されている。PATの主たる機能と責任は、バンコク港とレムチャバン港を管理運営することであり、次の業務がなされている。

?@ 船舶及び貨物へのサービスと施設の提供

・進入航路の浚渫と維持、航行援助施設等の設置管理

・ポートラジオによる外国船舶とバース情報の交信

・タグボート及び鯛取船のサービス業務

?A 船内荷役業務

?B荷役機械の運転及び提供と荷役

?C荷さばき施設への貨物の受入及び保管

?D解、列車、 トラック等により荷主及び代理店への貨物輸送

 

PAT職員数は、Director General以下6,367人(1996会計年度ベース)である。

 

PATが管理する2大港、バンコク港とレムチャバン港における1993-1997年の取扱貨物量と入港船舶数をまとめて表3-1に示す。詳細は事項以降で述べる。

 

 

 

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