日本財団 図書館


4)造船公社(MYANMAR SHIPYARD=MS)の現況

 

(1)現況

ミャンマーにおいて商業ベースで造船・修理・鉄構構造物製作を行っているのは,MYANMAR SHIPYARDのみである。現工場は,YANGON 市 SINMALIKE地区にあり,YANGON港上流約5KMのHLANG川に面している。

工場建設はユーゴスラビアの援助で海軍のドックヤヤードとして1964年に計画され,1969年に完成した。設立当初は,当時の運輸・通信省の直属機関であった。1976年,一連の国営公社の商業活動推進の政府決定に従い,より独立性の高い企業体として操業できる権限が与えられ,BURMA DOCKYARDS CORPORATION(BDC)して組織変更を行った。

1989年STATE-OWNED ECONOMIC ENTERPRICES LAWにより位置付けが更に明確化され,名称も現在のMYANMA SHIPYARDS(M.S.)となった。事業目的は公共及び民間を問わず,造船・船舶修理・鉄構構造物製作にある。組織はManaging Directorの下に横一列に技術計画部,生産部,財務部,労務部の4部があり,各部長はCEOであるM.D.に直結している。

職員数は550名(下請け業者は除く),内100名は財務・労務等の間接部門であり,450名が生産に直接関連している。溶接工は200名,技術陣は基本設計を担当し得る造船技師4名,船舶建造監督を担当し得る技師が5名,工作図面を扱うNC製図工36名からなる。基本設計課にはCADシステムが導入済である。

 

(2)設備・能力

 

・敷地 : 161.5エーカー(使用は25%のみ)

 

・ドック方式 : 横引揚げ方式

 

・船舶係留池 : 激しい干満の影響を避ける為,船舶係留池とHLAING河の間に60MX19Mの二重ゲートが設置してある。

 

・引揚げ能力 : 最大引揚げ能力そのものは2,500Tであるが上記ゲートは長さが60M,幅が19Mであることから,実際には貸物船ベースで,1,000〜1,500DWTクラスがゲートを通過し得る最大船型である。

船台は2,500 DWT  2基

700 DWT 4基

350 DWT 6基

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION