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?B一方、現地調査で、過去に輸出した日本の作業船或いは他の国から購入した作業船が部品供給体制の不備から、メンテナンスが不良のため活用されていない問題点を確認することができたことは、今後の作業船輸出を考える上で貴重な情報となり得たと思われる。

?C更に、各調査国に共通して言えることは、港湾工事並びに作業船に関する技術者の絶対的な不足であり、港湾工事とそれに関わる作業船の運営技術の貧弱さ等があげられる。その現実を充分認識しているが為に、作業船の需要を云々する以前の問題としての技術移転に関する強い要望が出されたことは、大きな収穫であったと言える。特に作業船の建造及び施工技術についての講習会を開催するよう要望があったことは今後の大きな課題といえる。

 

特に、継続的な接触の必要性や、建造及び施工技術についての現地講習会を開催するよう要望があったことは重要な課題であり、今後経費面での問題があるが、技術移転の一つの方策として日本財団のご援助により実施することをお願いすることが必要となろう。

また、それとともに常にあらゆる機会を利用して継続的な情報の交換をおこない、人的交流を図ることも肝要である。

 

(5)今後の対応策

 

本調査の趣旨を生かし、今後とも作業船の利用向上を各国に求めるには、次のような対応を図る必要がある。

 

?@各国の経済情勢により日本の作業船の高品質を認めながらも採用できないことについては、技術の優秀性を保持しながら、コスト削減に努めること。ODAの無償援助制度について検討する必要がある。

?Aまた過去に輸入した作業船が部品供給体制の不備からメンテナンスができず、活用されていないことは、部品供給の面からのみならず、メンテナンスの考え方、メンテナンス・サービスエンジニアの育成や国際的なメンテナンス体制の整備まで必要と考えられる。

?B各国が成長するにつれ、作業船の需要も出てくるものと思われるが、技術的優位に拘ることなく定期的には建造、施工、管理運営に関する技術移転によるスムースな需要対策が必要となろう。

 

 

 

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