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参考資料2 米国出張報告(各論)

 

1. バイオレメディエーション商品(栄養塩、微生物製剤)の評価手順

 

1.1 概要

 

NETAC(National Environmental Technology Applications Center: 全米環境技術応用センター)は、エクソン・ヴァルデス号事件を契機に、US-EPAの協力を得てバイオレメディエーション商品(栄養塩、微生物製剤:以下CBAと称す)評価マニュアルを作成し、1993年7月に発表した。

評価は、5段階評価であり、段階を追うに従って、より実際の使用に耐えることが証明される。

 

(1)BASE TIER/基本段階:商品の成分情報確認

安全性に関する基本的情報(商品の製造方法、商品に含まれる科学・生物物質が規制値をクリアしているかどうか)を確認する。

(2)TIER 1/段階1:フィージビリティ・アセスメント

油汚染に適用した場合の効果と安全性を、商品製造元からの情報(使用方法、効果、安全基準クリアの証明、製造可能性、過去の使用例等)により確認する。

(3)TIER 2/段階2:実験室レベルでの評価

風化原油(実際の流出油は浄化段階で風化しているため)を使用し、CBAによる生分解促進効果を、フラスコ実験により確認(コントロールと比較)する。

(4)TIER 3/段階3:実際の環境を想定したラボ実験

open water(洋上)及び海浜での状況をシミュレートする2つのラボ実験からなり、効果と毒性を確認する。

毒性確認試験は、甲殻類動物や魚を使用して7日間の毒性テストを2度行う。このテストの評価項目は、生存力、生育力、繁殖力である。

(5)TIER 4/段階4:限定的現地テスト

段階2、3の実験結果が実際の自然環境下でのクリーンアップにあてはまり、効果が出るかどうかを確認する。

 

ただし、EPAの情報によると、BASE TIERとTIER 1はどちらも文書面での検討であり、将来的に合体する可能性があるという指摘があった。

 

 

 

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