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(4)栄養塩の添加

原油分解菌を植菌した後、水槽1に2種類の緩効性栄養塩、窒素源としてスーパーIB(商品名、三菱化学(株)製)、リン源としてリンスター30(商品名、三菱化学(株)製)を加えた(写真5-3-2)。1回当りの添加量は、スーパーIBが300g、リンスター30が60gであり、0日目と37日目にそれぞれ同量添加した。散布に当たっては、目視で一様にまく方法をとった。スーパーIBは穎粒状(粒径2〜4mm)の緩効性栄養塩であり、イソブチリデン二尿素(Isobutylidene diurea)のみで構成されており、窒素含有率は32wt%である。リンスター30は、穎粒状(粒径1〜4mm)の栄養塩であり、燐酸カルシウムおよび燐酸マグネシウムより構成されており、Pの含有率は35wt%である。

また水槽2にはInipol EAP22を加えた(写真5-3-3)。これは、オレイン酸を含む窒素及びリン栄養塩であり(表5-3-1)、アラスカでのExxon Veldez号事故にも用いられた。この使用説明書には、岩、砂利などの表面に付着した油に対し、Inipol EAP22を10%(重量)、あるいは、1?あたり200〜500gのInipol EAP22を加えるのが目安であると書かれていた。今回の試験においては、433gのInipol EAP22を2回に分けて(0及び16日)添加した。

Inipol EAP22の窒素含有率は7.4wt%、Pの含有率は0.7wt%である。

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