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4.3.2 砂を入れた場合

 

(1)目的

フラスコや試験管による振盪培養試験は、主に液体培養条件における生分解性の検討であったが、液体培地中に砂・砂利が共存する場合の生分解性も検討すべきであるとの指摘があった。このため、フラスコ内の液体培地に砂あるいは砂利を添加し、振盪培養後の微生物分解率の測定を実施した。

 

(2)試験方法

100mL用の坂口フラスコに十分量のチッ素およびリンを添加した人工海水培地を48mL、滅菌した砂利(後述する海浜模擬試験に用いる砂利と同じもの)または海岸で採取した砂を5mL投入し、A重油を375μL(311mg;供試A重油の比重実測値=0.83)ずつ分注したものを用いる。それぞれのフラスコに前培養した原油分解菌(単菌)培養液2mLにて植種し、20℃にて140rpmの小型レシプロシェーカー上で振盪培養する(n数は3)。なお、このように準備した時の培地中のA重油の初期濃度は7,500v/v ppmである。また、コントロールとして上記と同様の植菌、A重油量であるが、栄養塩を添加しないフラスコを準備し同様に振盪培養する。所定期間(2週間)培養した後の培地に十分量のクロロホルム(50mLずつ2回)を投入して油分を抽出し、重量法で残留油分量を測定する。また、培地中の菌密度をプレート法にて計数する。

 

(3)結果

?視覚的効果(写真4-3-3参照)

写真からわかるように、コントロールに比してバイオレメディエーションを行った場合は、海水表面に浮いているA重油がなくなって白濁しており、バイオレメディエーションの効果があったことがわかる。

 

 

 

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