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1. 事業の概要

 

1.1 事業の目的

 

原油流出については、タンカーの規模が大きくなるに従い、一度事故が発生すると環境に重大な影響を及ぼすと考えられる。従って、これらの事故が発生した場合に対処できるオプションを常日頃から整備しておくことは、極めて重要であると考えられる。

一方、沖合における流出油の防除に漏れて海岸に漂着した原油は、砂浜、砂礫、岩礁に付着し、除去作業は極めて困難なものとなる。また、そのまま放置すると長期間にわたって近辺海洋の汚染源となる。このような海岸への油付着を処理することは、環境保全上、極めて重要なことである。

流出油処理技術として、従来の油防除機材や付着機材に加えて、石油分解微生物を利用した浄化技術が世界的に注目されている。微生物利用油処理(Bioremediation、以下、バイオレメディエーションと称す)は、限定的であるが実験室レベルでの効果が確認済みである。

そこで、本調査研究では、流出油処理に関し、将来有望なバイオレメディエーションについて将来動向の把握を踏まえ、実用化試験及び流出油処理効果シミュレーションを実施して、安全性、処理効果等を確認し、今後の最適な流出油処理方法の確立に資することを目的とする。

 

 

 

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