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保存した受信通報を消してはいけないこと。

? 無指向性の空中線を使用するときは、その空中線は、実効可能なときには設備の性能に重大な低下を招かないよう、船首尾方向は-5°以内、左右舷方向に-15°以内に障害物のない位置に取付けること。無指向性の空中線の場合は、特に空中線の1m以内で2°をこえるシャドーセクタを与える物体は、設備の性能を大きく低下させるおそれがある。

? 安定化装置をもった指向性の空中線を使用するときは、その空中線は、実効可能なときには、設備の性能に重大な低下を招かないよう、水平面下5°の仰角内に障害物のない位置に取付けること。20dB程度の利得をもった(インマルサットAの空中線に近い)指向性の空中線の場合は、特に空中線の10m以内で6°をこえるシャドーセクタを与える物体は、設備の性能を大きく低下させるおそれがある。

なお、この性能標準の中には、EGCの性能標準については、別に定めるものに適合、となっている。

(2) インマルサットA型船舶地球局設備

インマルサットAと呼ばれている船舶地球局の設備は、船上装置(Above Deck Equipment)と船内装置(Below Deck Equipment)の二つの部分から構成されている。船上設備は安定台上に取り付けられた直径0.85mないし1.2mのパラボラ空中線であって、船の動揺があっても常に衛星に向くようにされている。そして空中線には送信用Lバンド高電力増幅器と受信用のLバンド低雑音増幅器と送受切換え装置が取り付けられ、全体が低損失の保護用レドームの中に入っている。

船内設備は空中線制御装置、通信用周波数変換器、変復調器、回線制御装置、電源などから構成されており、これに電話、テレックス、ファクシミリ、データ端末機等が接続される。

GMDSSでは、現存するインマルサットAでは、SOLAS条約第4章第4規則の規定にある“陸上から船舶向けの遭難警報を受信すること”という規定を満足しない可能性がある。これは、現在のところ船舶への個別呼出しが主体であり、ある海域の全船舶一斉呼出しが必ずしも可能ではなく、このため後述するEGCの機能が必要となる。したがって、この要件を満たすにはインマルサットのシステムで解決するか、EGCの併用装備、又はインマルサットA自身にEGC的な機能を持たせるなどが必要となる。IMOの総会決議A.608

 

 

 

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