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で与えられvmの波形は図3・20(C)のようになる。これから分かるように振幅変調波から元の信号波を再現するには振幅変調波の包絡線を取り出せばよい。次に式(3・18)を次のように変形する。

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ただし,mは変調度とよばれ Vp/Vである。

式(3・19)よりvmの周波数スペクトルは図3・21のようになることがわかる。式(3・19)の右辺第1項は元の搬送波を,第2,第3項は信号波が変調された成分を表し,それぞれ上側帯波,下側帯波と呼ぶ。またmは常にm<lでなければならない。信号波が単一正弦波でなく,ある帯域幅のスペクトルを持つ複合波のときは図3・22に示すように変調波の上下の側帯波のスペクトルは信号波のスペクトルと同じ形状になる。

以上からわかるように振幅変調方式では送信局から送られる変調波の電力は搬送波,上下側帯波のおのおのの振幅の自乗和に等しいからV2(1+m2/2)となり,また,帯域幅は信号波の帯域の2倍となる。一方受信局で,もとの信号波を再現するのに必要なのは上下側帯波のいずれか一方だけである。したがってこの方式の電力効率ηは

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となり,m<1であることを考えるとかなり低い値となる。そこで電力効率を改善し帯域幅も節約するために変調波には上下側帯波のいずれか一方のみを用いて通信を行うこともできる。この方式を単側波帯(SSB:Single Side Band)方式と呼び,このときは電力効率は100パーセント,帯域幅は信号波のそれと等しくなるがその代わり変調回路,復調回路は複雑になる。

現在船舶に使用されている振幅変調無線電話は,小形漁船向の一部の装置を除きすべてSSB方式である。無線通信規則により側帯波は上側帯波を使用し占有周波数帯幅は3kHzと規定されている。

 

 

 

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