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3・5・6 保護カバーの取付

保護カバーは、導波管の損傷を防ぐ目的で取り付けるのであるから、導波管の回りだけ覆ってあれば十分で、取付台の下部までカバーする必要はない。一般的に垂直部分は甲板から1.5〜2mぐらいまでカバーすればよいが、甲板上の水平部分は、その布設部の全面に設けなければならない。

(1)船種によっては保護カバーの上に荷物を置く場合もあり、その荷重に耐え得るものでなければならない。

(2)テフロンシートが挿入されている部分(主にバルクヘッドフランジ周辺)、及び垂直部分の最下部は、導波管内の点検や水密試験等を行うことが多いので、簡単に取外しができるような構造にしておかなければならない。

3・5・7 塗装仕上の方法

(1)空中線の開口面に塗ってはならない。

(2)空中線の取付けねじ、導波管(特に接続部)とそのクランプ部及びケーブルはそのクランプ部の取付けねじを含めて塗料を十分に塗ること。

(3)塗装が最後になりがちであるが、保護カバーを取り付ける前にこの部分の塗装を行わなければならない。また、保護カバーの内面も忘れないように塗ること。

(4)電食防止には、さび止め塗装をし、次に耐食性塗料を塗らなければ効果はない。

3・5・8 フレキシブル導波管(9GHz帯)

(1)フレキシブル導波管の構造(図3.11)

長方形で波形の形状を持つ銅製の導波管と、それを保護する硬質のシースポリエチレン及びその2つの間に詰めてある防湿コンパウンドでできている。

(2)フレキシブル導波管の特徴

現在、導波管工事ではほとんどこのフレキシブル導波管が使われている。原因として、製造技術の向上により損失が1m当たり0.08dBに止まり方形導波管と変わらないこと、溶接が不要なこと、精密な寸法合せをしなくとも取付けが容易なこと等が挙げられる。実際に装備する場合は、方形導波管のチョーク又はフラットフランジ付き導波管と同様なものをこの導波管を使って作り、方形導波管用のE又はHベンドと組み合せて装備することが多い。

(3)フランジ付き導波管の作り方

(a)フランジ等使用材料の準備(図3.12)

 

 

 

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