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出てくる。したがって、木台をスペーサとして入れるのが望ましい。木台の厚さは20〜70mmのものを選定すればよいが、余り厚くすると指示器全体が高くなり操作しにくくなるので注意すること。小型レーダーでは、側壁付けや、テーブル付けを行うが、相手側が木製の場合が多いので、余りひずみを心配することはない。ただ、重量のある機種では、取付け部が堅固でないと危険である。

(b)指示器は操舵室かチャートルーム、あるいは双方に一台ずつ設置することがある。二台装備の場合は、高い方の空中線に接続される指示器がキールラインに近いところに置かれることが多い。向きは使用者がレーダー指示器から顔を上げたときに、船首方向が見えるようにする。小型の卓上型の指示器の場合は、熱の放散を妨げるようなものが周囲にこないよう注意が必要である。

(c)磁気コンパスへの影響

指示器には、種々の鉄系磁性体部品を使用しているので、磁気コンパスに影響を与える。指示器のケースには、それぞれ安全距離が明示されているが、これは磁気コンパスボウルの中心と、指示器ケースの最も近い部分までの許容された距離である。しかし、この指示距離が大き過ぎて、操舵室の大きさの関係などで、実現が不可能な場合には、指示器の電源をON-OFFさせても、ある一定値(0.5度)以下であれば、これ以内に接近してもよいとされている。

本件については各レーダーメーカーと相談するとよい。装備後に磁気コンパスの自差修正を行うことになっている。

(d)サービススペース

サービススペースは、それぞれのレーダーの工事用図面に明記されているが、これは点検や保守のときの最低限必要な空間なので、可能な限り広くとった方がよい。

安定したと称される機械であっても、これは統計的な話であって、定期的な開放点検を実施しなければならないことは論をまたず、サービススペースを十分にとることは必要なことなのである。

 

 

 

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