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空中線を電気回路として考えて、空中線自身と空間に蓄えられる電界エネルギを静電要領Ce、磁界エネルギをインダクタンスLeに対応させて、放射電力と損失電力を抵抗Reに対応させた回路と考えれば、図8・4に示すように第2章で学んだ直列共振回路になり、このときの入力インピーダンスZfは、

194-1.gif

となる。

入力インピーダンスが、純抵抗となる周波数をその空中線の固有周波数といい、そのときの波長を固有波長という。

いま固有波長をλo、固有周波数をfoとすると、

194-2.gif

 

194-3.gif

ただし、C=3×108〔m/sec〕

Le、Ceは実効定数

の関係となる。

(4)実効長

図8・5に示す半波長ダイポール空中線の例のように、空中線上の電流分布は一様でないから、空中線各部より放射される電波の強さはそれぞれ異なっている。このことは、空中線全体から放射される電波の強さを求める場合に不便である。

このため、空中線に流れる電流I(実効値)を考え、Iが空中線各部に同じ大きさで流れた場合の放射電力が、正規の空中線の放射電力と等しくなったと仮定して取り扱い、このときの長さあるいは高さを実効長あるいは実効高という。

図8.5に占める半波長ダイポール空中線の実行長leは、

le=λ/π〔m〕

 

 

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