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の1本はアースラインであるが、ICの電源とアースのピンを介してこのストリップラインを放熱板として利用する方法である。更に積極的に電源ラインを放熱に利用するには、PC板用のブス・バーを用いるとよい。

また、IC自身の発熱による他の回路への影響も考えられるので、部品配置には十分な配慮が必要である。

(3)伝達特性

54/74シリーズの各ICでは“0”論理の出力電圧は0〜0.4V、“1”論理の出力電圧は2.4V〜Vccを保証している。一方、ICの入力側では0V〜0.8Vの入力を“0”論理、2.OV〜Vccの入力を“1”論理と判断する。このためTTL間の接続では“0”論理で0.4V、“1”論理でも0.4Vのノイズマージンがあるが、入出力の距離が離れている場合には、誘導などの雑音成分をこの範囲に抑えなければ回路の誤動作の原因になる。(図6・14参照)

0.8〜2.OVの間では“1”か“0”かは種々の条件によって異なるので誤動作をする。ICの前段がダイオード・マトリックスやトランジスタ回路などの場合は、“0”論理のノイズマージンが少なくなり誤動作の原因になりやすい。ノイズマージンは温度や電源電圧などで変動するので、動作チェックでは温度を変えてみた方がよい。

ノイズマージンの少ない箇所や雑音の多い箇所には、次に説明するCMOSを使うのも一つの方法である。

TTLに限らずディジタル回路の故障の発見には、ノイズマージンやパルスのタイミングをみることが多いので、プローブを使用したシンクロスコープの使用を薦めたい、普通ICのマニュアルは、シンクロスコープを使ってチェックすることを前提として書かれている。

 

 

 

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