日本財団 図書館


やや不便で余り使われないが、動作周波数範囲が広いので高周波用等特別な場合に使用される。コレクタ接地回路はエミッタフォロアともいい、入力インピーダンスが非常に高く、出力インピーダンスが非常に低いので、バッファ増幅器としてよく使用される。エミッタ接地は増幅率が大きく一般によく使用されているので、ここではエミッタ接地増幅回路について述べる。

図5・2に低周波用のエミッタ接地トランジスタ増幅回路の一例を示す。図の回路は図4・19(b)の負荷として抵抗RLを使用し、結合コンデンサCCを通して次段と結合しているので、CR結合増幅回路と呼ばれている。トランジスタはNPN形のものなので、コレクタ側が(+)になるように電源が接続されている。

080-1.gif

(1)バイアス回路

図5・2の回路において、入力信号がまだ加えられていない場合を考える。バイアス抵抗R1、R2を適当に選び、VBEが図4・23(?)のカットオフ電圧より高くなるとベース電流IBが流れはじめ、同時にコレクタ電流ICが流れはじめる。このときエミッタ電圧VEはICのため、RE×IC(IBはICに比べてきわめて小さいので省略できる。)にまで上がるが、VBEがカットオフ電圧以上であれば、IBとICは流れ続け、回路は動作状態となる。このIBをベース・バイアス電流と呼び、同回路のREも含めたバイアス回路を電流帰還形と呼ぶ。このほかにも固定バイアス回路、自己バイアス回路

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION